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2023/03/31 13:36

香港前場:ハンセン0.8%高で4日続伸、上海総合は0.2%上昇 無料記事

 31日前場の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比171.00ポイント(0.84%)高の20480.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が74.07ポイント(1.07%)高の6996.73ポイントとそろって4日続伸した。売買代金は782億5660万香港ドルに拡大している(30日前場は666億9460万香港ドル)。
 中国景気の先行き不安が後退し、投資家心理が上向く流れ。寄り付き直後に公表された今年3月の中国製造業PMIは51.9で推移し、前月(52.6)から低下したものの、予想(51.6)を上回っている。また、非製造業PMIは58.2に達し、予想(55.0)を大幅に上回った。中国テック企業の価値向上を図る動きもプラス。中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)は30日引け後、不動産、産業サプライチェーン技術・サービスをそれぞれ手がける子会社2社を分離し、香港メインボードに上場させる計画を明らかにした。これより先には、同業最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が事業グループを6つに分割・再編すると発表している。また、アリババは傘下の物流サービス会社、菜鳥網絡科技(ツァイニャオ)を香港で新規株式公開(IPO)する準備に着手したもよう――などと報じられた。京東集団株は7.0%高、アリババ株は3.9%高と買われ、全体相場を押し上げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、上述した2銘柄のほか、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が6.4%高、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が4.3%高と上げが目立っている。
 セクター別では、中国の保険・証券が高い。上記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が5.0%、海通証券(6837/HK)が2.1%、華泰証券(6886/HK)が1.8%ずつ上昇した。
 マカオ・カジノ銘柄も急伸。美高梅中国HD(2282/HK)が6.2%高、新濠国際発展(200/HK)が5.2%高、澳門博彩HD(880/HK)が3.9%高、金沙中国(1928/HK)が3.8%高で引けた。
 非鉄セクターもしっかり。新疆新キン鉱業(3833/HK)が6.0%高、中国アルミ(2600/HK)が4.2%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.2%高と値を上げた。ニッケル大手の新疆新キン鉱業が公表した決算は44%増益となり、期末配当の実施も予定されている(前年はなし)。
 そのほか、業績動向を手がかりにした値動きでは、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が1.7%高。同社の決算は黒字に転換し、復配も予定された。太陽光発電素材メーカーの協キン科技HD(3800/HK)が6.7%高。同社の決算は純利益が215%増に拡大し、配当実施も予定された(前年はなし)。白物家電大手の海信家電集団(921/HK)が6.2%高。同社の決算は47%増益で、配当の増額が予定されている。
 半面、海運セクターはさえない。中遠海運HD(1919/HK)が5.4%、海豊国際HD(1308/HK)が3.4%、太平洋航運集団(2343/HK)と東方海外(316/HK)がそろって1.9%ずつ下落した。中遠海運は増収増益で増配も予定されたが、純利益が予想に届かなかったことを嫌気している。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%高の3268.31ポイントで前場取引を終了した。消費関連株が高い。通信ネットワーク株、素材株、医薬品株、公益株、不動産株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。銀行株、海運株、軍事関連株も売られた。



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