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2023/01/09 17:38

香港大引:ハンセン1.9%高で反発、阿里巴巴8.7%上昇 無料記事

 週明け9日の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日営業比396.70ポイント(1.89%)高の21388.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が142.43ポイント(1.99%)高の7286.07ポイントとそろって反発した。ハンセン指数は昨年7月以来の高値水準を回復している。売買代金は1564億2270万香港ドルにやや拡大した(6日は1482億7510万香港ドル)。
 内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。6日の米株市場では、米利上げ長期化の警戒感が薄らぐ中、主要株価指数が急反発した。賃金インフレの鈍化を受け、米連邦準備理事会(FRB)は金融引き締めを長期化するとの観測がやや後退している。内部的には、リオープン(経済再開)の進展と当局の景気重視スタンスがプラス。過度な景気懸念が和らいでいる。共産党機関紙「人民日報」は8日付で、中国人民銀行(中央銀行)の党書記を務める郭樹清氏のインタビューを掲載。郭氏は「中国の経済成長は迅速に正常化する」との見解を示した。また、郭氏はプラットフォーム企業14社について、「金融事業の是正措置は基本的に完了し、残る少数の問題も急ぎ解決する」と発言。ニューエコノミー銘柄全体の追い風となった。ハンセン科技(テック)指数は3.2%高と他の指数をアウトパフォームしている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、Eコマース中国最大手の阿里巴巴集団HD(9988/HK)が8.7%高、中国スマートフォン大手の小米集団(1810/HK)が7.7%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が7.7%高と上げが目立った。阿里巴巴集団については、ゴールドマン・サックスが最新リポートで、同社株を「コンビクション・バイ(強い買い推奨)」リストに追加している。中国のリオープンペースは予想より速く、今年4〜6月期には景気回復が鮮明化すると予想した。小米集団に関しては、業況の改善見通しが刺激。クレディ・スイスは最新リポートで、小米集団が2023年の世界スマートフォン市場の先行きに対して楽観的なスタンスに転じていると指摘した。
 カジノや劇場、外食など「リオープン」銘柄も高い。新濠国際発展(200/HK)が8.9%、永利澳門(1128/HK)が4.7%、猫眼娯楽(1896/HK)が3.7%、歓喜伝媒集団(1003/HK)が1.8%、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が6.5%、海底撈国際HD(6862/HK)が5.6%ずつ上昇した。カジノ各社には、売上回復の期待が浮上している。春節連休のカジノ客室稼働率は90%を超え、コロナ前水準を回復する見通しと伝わった。
 家電やスポーツ用品の中国消費セクターも物色される。創維集団(751/HK)が25.1%高、TCL電子HD(1070/HK)が7.3%高、海爾智家(6690/HK)が3.0%高、中国動向(3818/HK)が12.5%高、安踏体育用品(2020/HK)が3.0%高と値を上げた。テレビ大手の創維集団に関しては、先ごろ発表した自社株の公開買い付け(TOB)計画が引き続き材料視されたほか、新エネルギー事業の成長も注目されている。直近3営業日の累計上昇率は52%に達した。
 一方、本土マーケットは6日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.58%高の3176.08ポイントで取引を終了した。非鉄・産金株が高い。医薬品株、金融株、消費関連株、エネルギー株、ハイテク株、空運株なども買われた。半面、不動産株は安い。公益株、軍事関連株も売られた。


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