2023/08/01 13:35
香港前場:ハンセン0.01%安で4日ぶり反落、上海総合は0.1%上昇
1日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比1.22ポイント(0.01%)安の20077.72ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が0.18ポイント(0.00%)安の6899.13ポイントとそろって4日ぶりに反落した。売買代金は737億3310万香港ドルとなっている(7月31日前場は995億4210万香港ドル)。
売り圧力が意識される流れ。ハンセン指数はこのところ急ピッチに上昇し、足もとで約3カ月ぶりの高値水準を回復していた。域内経済の鈍化も懸念。香港政府が7月31日に発表した2023年第2四半期(4〜6月)の域内総生産(GDP)速報値は前年同期比で1.5%増にとどまり、前四半期の実績(2.9%)と市場予想(3.5%)を下回った。もっとも、下値は限定的。中国経済対策の期待感が持続する中、ハンセン指数は高く推移する場面もみられた。国家発展改革委員会は7月31日、「消費の回復と拡大に向けた6分野の20措置」を発表。また、中国国務院(内閣に相当)は7月31日の常務会議で、適時に規制を緩和し、景気回復を支える方針を示した。なお、取引時間中に公表された7月の財新中国製造業PMI(民間による)は49.2に悪化し(6月は50.5)、3カ月ぶりに景況判断の境目となる50を割り込んでいる。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が9.2%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が7.0%安、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が5.9%安、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が5.6%安と下げが目立った。信義光能と信義玻璃はそれぞれ、中間決算の減益が嫌気されている。
セクター別では、中国の不動産セクターが総じて安い。上記した碧桂園のほか、世茂集団HD(813/HK)が26.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が18.1%、合景泰富地産HD(1813/HK)が5.1%ずつ下落した。不動産販売の低迷が懸念される。調査会社の最新データにより、主要デベロッパー100社の7月販売額が前年同月比で33%減少し、直近数年で最低を記録したことが判明した。同セクターはこのところ、相次ぐ不動産支援策を手がかりに買いが目立っていたこともあり、売り圧力も高まっている。世茂集団については、21年通期、22年通期決算がいずれも赤字となったことなども引き続き売り材料視された。同社株は前日、約1年4カ月ぶりに取引再開し、前営業日比65.6%安と急落している。広東省地盤の雅居楽集団に関しては、割当増資計画もネガティブ材料だ。
半面、中国発電セクターはしっかり。華潤電力HD(836/HK)が1.9%高、華能国際電力(902/HK)が1.6%高、華電国際電力(1071/HK)と中国電力国際発展(2380/HK)がそろって1.4%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12%高の3294.98ポイントで前場取引を終了した。発電株が高い。不動産株、エネルギー株、素材株なども買われた。半面、金融株は安い。医薬品株、自動車株、小売株、インフラ関連株も売られた。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
売り圧力が意識される流れ。ハンセン指数はこのところ急ピッチに上昇し、足もとで約3カ月ぶりの高値水準を回復していた。域内経済の鈍化も懸念。香港政府が7月31日に発表した2023年第2四半期(4〜6月)の域内総生産(GDP)速報値は前年同期比で1.5%増にとどまり、前四半期の実績(2.9%)と市場予想(3.5%)を下回った。もっとも、下値は限定的。中国経済対策の期待感が持続する中、ハンセン指数は高く推移する場面もみられた。国家発展改革委員会は7月31日、「消費の回復と拡大に向けた6分野の20措置」を発表。また、中国国務院(内閣に相当)は7月31日の常務会議で、適時に規制を緩和し、景気回復を支える方針を示した。なお、取引時間中に公表された7月の財新中国製造業PMI(民間による)は49.2に悪化し(6月は50.5)、3カ月ぶりに景況判断の境目となる50を割り込んでいる。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が9.2%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が7.0%安、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が5.9%安、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が5.6%安と下げが目立った。信義光能と信義玻璃はそれぞれ、中間決算の減益が嫌気されている。
セクター別では、中国の不動産セクターが総じて安い。上記した碧桂園のほか、世茂集団HD(813/HK)が26.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が18.1%、合景泰富地産HD(1813/HK)が5.1%ずつ下落した。不動産販売の低迷が懸念される。調査会社の最新データにより、主要デベロッパー100社の7月販売額が前年同月比で33%減少し、直近数年で最低を記録したことが判明した。同セクターはこのところ、相次ぐ不動産支援策を手がかりに買いが目立っていたこともあり、売り圧力も高まっている。世茂集団については、21年通期、22年通期決算がいずれも赤字となったことなども引き続き売り材料視された。同社株は前日、約1年4カ月ぶりに取引再開し、前営業日比65.6%安と急落している。広東省地盤の雅居楽集団に関しては、割当増資計画もネガティブ材料だ。
半面、中国発電セクターはしっかり。華潤電力HD(836/HK)が1.9%高、華能国際電力(902/HK)が1.6%高、華電国際電力(1071/HK)と中国電力国際発展(2380/HK)がそろって1.4%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12%高の3294.98ポイントで前場取引を終了した。発電株が高い。不動産株、エネルギー株、素材株なども買われた。半面、金融株は安い。医薬品株、自動車株、小売株、インフラ関連株も売られた。
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