29日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比301.81ポイント（1.57％）安の18870.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が109.68ポイント（1.68％）安の6411.54ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は406億7850万香港ドルと低迷が続いている（28日前場は382億2940万香港ドル）。
　投資家の慎重スタンスが強まる流れ。人民元相場の動向や、米国の対中圧力強化など不安材料が依然としてくすぶっている。為替動向に関しては、国有銀行による買い支え観測を受けて27日には一時元高に振れたものの、翌28日には再びその上昇分を帳消しにする元安水準まで落ち込んだ。29日も弱含みで推移している。資金流出が警戒される状況だ。また、あす30日に6月の中国製造業購買担当者景気指数（PMI、国家統計局などが集計）が公表されることも気がかり材料として意識されている。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD（6098/HK）が5.6％安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術（2269/HK）が5.4％安、中国スポーツ用品大手の李寧（2331/HK）が5.2％安と下げが目立った。
　セクター別では、管理サービスやデベロッパーなど中国の不動産が安い。前記した碧桂園服務のほか、融創服務HD（1516/HK）が6.0％、世茂服務HD（873/HK）が5.0％、合景泰富地産HD（1813/HK）が6.6％、碧桂園HD（2007/HK）が4.8％、中国金茂HD（817/HK）が4.2％ずつ下落した。
　レストランチェーンや酒造の飲食関連もさえない。海底撈国際HD（6862/HK）が3.7％安、海倫司国際HD（9869/HK）が3.0％安、九毛九国際HD（9922/HK）が2.1％安、百威亜太HD（1876/HK）が4.8％安、華潤ビールHD（291/HK）が1.9％安と値を下げた。
　半面、半導体ファウンドリー中国大手の華虹半導体（1347/HK）は2.6％逆行高。同社は28日引け後、上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」への重複上場に際し、半導体産業振興のための国策ファンド「国家集成電路産業投資基金二期（大基金二期）」が戦略投資家として一部A株を引き受けると発表した。
　一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.17％安の3183.96ポイントで前場取引を終了した。酒造・食品や小売の消費株が安い。公益株、不動産株、エネルギー株、素材株、金融株なども売られた。半面、軍事関連株は高い。自動車株、医薬品株も買われた。



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