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2023/07/03 13:33

香港前場:ハンセン1.7%高で3日ぶり反発、上海総合は1.3%上昇 無料記事

 週明け3日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比327.37ポイント(1.73%)高の119243.80ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が142.85ポイント(2.22%)高の6567.73ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は438億2400万香港ドルとなっている(6月30日前場は403億9350万香港ドル)。
 米インフレ鈍化が好感される流れ。米商務省が公表した5月の個人消費支出(PCE)統計では、総合価格指数の伸びが前年同月比で3.8%にとどまり、約2年ぶりの低い伸びに落ち着いている。米金融引き締めの長期化観測もやや後退した。中国経済対策の期待感も根強い。経済の持ち直しをサポートするため、中国当局は景気刺激策を強めるの見方が広がっている。人民元安進行の懸念も和らぐ。中国人民銀行(中央銀行)は3日、人民元レートの対米ドル基準値を8営業日ぶりに元高方向で設定した。6月30日に開催された人民銀行貨幣政策委員会では、人民元相場の合理的な水準で安定させる方針が確認されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が4.9%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が4.4%高、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が4.3%高と上げが目立った。
 セクター別では、海運が高い。上記した東方海外のほか、中遠海運能源運輸(1138/HK)が6.2%、中遠海運HD(1919/HK)が3.3%、太平洋航運集団(2343/HK)が2.9%ずつ上昇した。
 空運セクターも急伸。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が6.8%高、中国東方航空(670/HK)が6.0%高、中国国際航空(753/HK)が5.9%高、空港運営・管理の海南美蘭国際空港(357/HK)が5.9%高、同じく空港運営の北京首都国際機場(694/HK)が3.9%高で引けた。航空会社については、米ドル建て債務が多いことに加え、米メーカーからの機材購入費が米ドル建てのため、人民元安の一服で、実質負担の増加懸念が薄らいでいる。また、夏季の空運需要増も意識された。
 自動車セクターも物色される。小鵬汽車(9868/HK)が11.9%高、理想汽車(2015/HK)が8.0%高、中国重汽(3808/HK)が7.8%高、長城汽車(2333/HK)が5.2%高と値を上げた。新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車は2日、6月納車が3万台の大台を突破し、上半期の累計納車台数が22年通年を超えたと報告。トラックメーカーの中国重汽は2日、需要回復により中間期決算が前年同期比で80〜100%増加するとの見通しを明らかにしている。ほか、ディーゼルエンジン生産のイ柴動力(2338/HK)が5.9%高。同社は2日、1〜6月期決算の純利益が最大70%増加するとの見通しを発表した。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.29%高の3243.24ポイントで前場取引を終了した。金融株が上げを主導。エネルギー株、消費関連株、インフラ関連株、公益株、不動産株なども買われた。半面、医薬品株は安い。ハイテク株の一角も売られた。


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