12日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比282.64ポイント（1.70％）高の16870.21ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が117.45ポイント（2.04％）高の5866.34ポイントと3日続伸した。売買代金は631億450万香港ドルに拡大している（11日の前場は520億3940万香港ドル）。
　前日の好地合いを継ぐ流れ。中国景気の持ち直し期待が支えだ。中国政府は追加の金融緩和や消費刺激策、産業支援策などを通じ、国内経済を支える方針。また、これまでに公表された主要企業の決算は、一部の業種を除き、増益や黒字転換など業績が概ね改善している。政策の恩恵を受けやすい銘柄群を中心に買いが入り、指数は上げ幅を徐々に広げた。(亜州リサーチ編集部)
　「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技（テック）指数は3.0％高と他の指数をアウトパフォームした。個別では、スマートフォン大手の小米集団（1810/HK）が9.6％高、動画配信プラットフォーム大手のビリビリ（9626/HK）が7.5％高、電子商取引（Eコマース）大手の京東集団（9618/HK）が6.2％高と上げが目立っている。小米については、新規事業の業績寄与が期待された。同社は12日、電気自動車（EV）のファーストモデル「SU7」を3月28日に正式発売することを明らかにしている。政策支援の動きも好感。国家金融監督管理総局の李雲沢・局長は11日、全国人民代表大会（全人代、国会に相当）閉幕後の閣僚クラス記者会見で、自動車ローンの頭金比率引き下げを検討していることを明らかにしている。新エネルギー自動車（NEV）の普及を一段と促す方針だ。
　そのほかのEV関連も高い。五菱汽車集団HD（305/HKが7.5％、小鵬汽車（9868/HK）が6.0％、蔚来集団（9866/HK）が4.2％ずつ上昇した。
　レストランチェーンや酒造の飲食関連も急伸。海底撈国際HD（6862/HK）が9.7％高、呷哺呷哺餐飲管理HD（520/HK）が8.4％高、九毛九国際HD（9922/HK）が5.1％高、華潤ビールHD（291/HK）が4.7％高、百威亜太HD（1876/HK）が3.9％高で前場取引を終えた。
　医薬セクターも物色される。中国神威薬業集団（2877/HK）が5.6％高、翰森製薬集団（3692/HK）が5.3％高、中国生物製薬（1177/HK）が5.0％高、百済神州（6160/HK）が4.1％高と値を上げた。
　半面、産金セクターはさえない。中国黄金国際資源（2099/HK）が4.1％、霊宝黄金（3330/HK）が3.4％、招金鉱業（1818/HK）が2.6％、山東黄金鉱業（1787/HK）が2.1％ずつ下落した。
　一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.47％安の3054.12ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が安い。公益株、素材株、ハイテク株、銀行株、インフラ関連株なども売られた。半面、消費関連株は安い。医薬株、不動産株も売られた。



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