21日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比488.41ポイント（3.01％）高の16735.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が199.08ポイント（3.61％）高の5718.31ポイントに大幅続伸した。売買代金は647億6150万香港ドルに拡大している（20日の前場は394億7510万香港ドル）。
　中国の政策動向が相場を支える流れ。中国経済の先行き不安が根強い中、当局は景気支援スタンスを継続している。20日公表された中国の最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」に関しては、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは4.20→3.95％と予想（4.10％）以上に引き下げられた。ほか、住宅都市農村建設部は20日、全国29省214都市で「不動産融資協調体制」が組まれ、デベロッパーの資金調達を支援する「ホワイトリスト」が商業銀行に相次いで提出されたと発表している。また、全国人民代表大会（全人代、国会に相当）の開幕3月5日が視野に入ってきたことで、追加の経済支援策に対する期待感も高まった。昨夜の米ハイテク株安などを嫌気した売りが先行したが、下値は固く、指数は上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD（960/HK）が10.1％高、パソコン（PC）世界最大手の聯想集団（992/HK）が7.9％高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発（2359/HK）が7.6％高と上げが目立っている。
　セクター別では、中国の不動産が高い。上記した龍湖集団のほか、合景泰富地産HD（1813/HK）が9.9％、世茂集団HD（813/HK）が8.3％、旭輝（884/HK）が7.0％、融創中国HD（1918/HK）が6.5％ずつ上昇した。
　自動車セクターもしっかり。理想汽車（2015/HK）が6.2％高、長城汽車（2333/HK）が5.6％高、浙江零ホウ科技（9863/HK）が4.2％高、比亜迪（1211/HK）が4.0％高で引けた。
　中国の銀行・保険セクターも物色される。招商銀行（3968/HK）が6.7％高、中国工商銀行（1398/HK）が3.5％高、交通銀行（3328/HK）が3.2％高、中国平安保険（2318/HK）が7.1％高、中国人寿保険（2628/HK）が5.7％高、新華人寿保険（1336/HK）が5.6％高で前場取引を終えた。
　一方、本土マーケットは6日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.72％高の2972.87ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が高い。金融株、不動産株、素材株、インフラ関連株、医薬株、ハイテク株、エネルギー株なども買われた。



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