2024/06/06 13:30
香港前場:ハンセン0.6%高で反発、上海総合は0.1%下落
6日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比108.26ポイント(0.59%)高の18533.22ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が33.04ポイント(0.51%)高の6575.51ポイントと反発した。売買代金は647億7670万香港ドルとなっている(5日の前場は645億1850万香港ドル)。
外部環境の改善で投資家心理が上向く流れ。米利下げ観測が強まる中、昨夜の米株市場ではハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0%高と3日続伸し、史上最高値を更新した。労働市場の軟化で賃金インフレの警戒感が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ確率が上昇している。中国景気の持ち直し期待も持続。国家統計局が公表した5月の製造業PMIは悪化したものの、民間が公表したPMIは大幅に改善している。
ただ、上値は重い。中国不動産業を巡る不透明感がくすぶっている。格付け会社のフィッチ・レーティングスは5日、中国の新築住宅販売額が2024年に前年比15〜20%減の8兆3000億〜8兆8000億人民元(約178兆〜189兆円)に縮小するとの見通しを示した。従来予想(5〜10%減)から下方修正している。それより先、シティグループが最新リポートで、中国の不動産市場がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの見解を示していただけに、水を差された格好だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が6.8%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.1%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.3%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体セクターが高い。上記したSMICのほか、晶門半導体(2878/HK)が8.6%、華虹半導体(1347/HK)が7.9%、ASMPT(522/HK)が5.3%ずつ上昇した。中国の産業支援策に対する期待感が持続。半導体産業の「自強自立」を支援する国家集成電路産業投資基金(大基金)の3号ファンドに関しては、登録資本が3440億人民元(約7兆4000億円)に上り、大基金としては過去最大だ。
石油や非鉄、産金など資源株も物色される。中国海洋石油(883/HK)が2.7%高、中国石油天然気(857/HK)が1.7%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.0%高、江西銅業(358/HK)が2.1%高、招金鉱業(1818/HK)が6.7%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.0%高で引けた。市況高が追い風。昨夜のNY市場では、WTI原油先物が6日ぶりに反発し、金先物価格も上昇した。
半面、中国不動産セクターは安い。融創中国HD(1918/HK)が10.2%、世茂集団HD(813/HK)が8.2%、遠洋集団HD(3377/HK)が7.4%、旭輝(884/HK)が6.0%ずつ下落した。上述したように、物件販売の回復期待が後退している。また、融創中国は5日、5月の不動産販売が前年比で7割減少したと報告した。
一方、本土マーケットは小幅続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%安の3062.93ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。医薬株、消費関連株、保険・証券株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。非鉄・産金株、半導体株、海運株、銀行株、公益株も買われた。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境の改善で投資家心理が上向く流れ。米利下げ観測が強まる中、昨夜の米株市場ではハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0%高と3日続伸し、史上最高値を更新した。労働市場の軟化で賃金インフレの警戒感が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ確率が上昇している。中国景気の持ち直し期待も持続。国家統計局が公表した5月の製造業PMIは悪化したものの、民間が公表したPMIは大幅に改善している。
ただ、上値は重い。中国不動産業を巡る不透明感がくすぶっている。格付け会社のフィッチ・レーティングスは5日、中国の新築住宅販売額が2024年に前年比15〜20%減の8兆3000億〜8兆8000億人民元(約178兆〜189兆円)に縮小するとの見通しを示した。従来予想(5〜10%減)から下方修正している。それより先、シティグループが最新リポートで、中国の不動産市場がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの見解を示していただけに、水を差された格好だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が6.8%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.1%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.3%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体セクターが高い。上記したSMICのほか、晶門半導体(2878/HK)が8.6%、華虹半導体(1347/HK)が7.9%、ASMPT(522/HK)が5.3%ずつ上昇した。中国の産業支援策に対する期待感が持続。半導体産業の「自強自立」を支援する国家集成電路産業投資基金(大基金)の3号ファンドに関しては、登録資本が3440億人民元(約7兆4000億円)に上り、大基金としては過去最大だ。
石油や非鉄、産金など資源株も物色される。中国海洋石油(883/HK)が2.7%高、中国石油天然気(857/HK)が1.7%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.0%高、江西銅業(358/HK)が2.1%高、招金鉱業(1818/HK)が6.7%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.0%高で引けた。市況高が追い風。昨夜のNY市場では、WTI原油先物が6日ぶりに反発し、金先物価格も上昇した。
半面、中国不動産セクターは安い。融創中国HD(1918/HK)が10.2%、世茂集団HD(813/HK)が8.2%、遠洋集団HD(3377/HK)が7.4%、旭輝(884/HK)が6.0%ずつ下落した。上述したように、物件販売の回復期待が後退している。また、融創中国は5日、5月の不動産販売が前年比で7割減少したと報告した。
一方、本土マーケットは小幅続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%安の3062.93ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。医薬株、消費関連株、保険・証券株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。非鉄・産金株、半導体株、海運株、銀行株、公益株も買われた。
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