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2020/05/25 14:51

香港前場:ハンセン1.0%安で3日続落、上海総合は0.03%下落 無料記事

 週明け25日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比228.82ポイント(1.00%)安の22701.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が42.95ポイント(0.46%)安の9383.83ポイントとそろって3日続落した。売買代金は661億4300万香港ドルとなっている(22日前場は875億6300万香港ドル)。
 香港の社会混乱を不安視した売りが先行。香港で24日、中国政府が社会統制を強める「香港版国家安全法」に反対する大規模なデモが展開された。新型コロナウイルスの感染が拡大した1月下旬以降で最大規模のデモに拡大している。一部のデモ参加者が商店を破壊する一方、警官隊は催涙弾を発射して応酬し、180人以上を逮捕した。
 米中対立の警戒感も持続。オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、「香港版国家安全法」を施行した場合、米国が2019年11月末に成立させた「香港人権・民主主義法案」に基づいて中国に対する制裁を課す可能性があると述べた。また、米商務省は22日、新たに33の中国企業・団体を事実上の禁輸措置対象リスト(エンティティ・リスト:EL)に追加している。中国の景気対策や経済活動の正常化に対する期待感で、香港の各指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、上値は重く、前引けにかけて改めて下げ幅を広げた。
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港大手行の恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が4.1%安、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が4.0%安、生命保険業務のIAグループ(1299/HK)が3.4%安、不動産デベロッパー香港大手の恒基兆業地産(12/HK)が3.3%安と下げが目立った。
 セクター別では、空運が安い。中国南方航空(1055/HK)が1.3%、中国国際航空(753/HK)が2.6%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が2.2%、中国東方航空(670/HK)が1.9%ずつ下落した。
 中国自動車セクターもさえない。長城汽車(2333/HK)が3.0%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.1%安、広州汽車集団(2238/HK)が1.9%安、北京汽車(1958/HK)が1.6%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が1.2%安で引けた。
 他の個別株動向では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.0%安。同社が22日引け後に公表した1〜3月期決算は2ケタ増収を確保したものの、21年通期の売上高見通しが予想を下回った。
 半面、食品飲料や酒造の消費セクターは物色される。中国旺旺HD(151/HK)が1.3%高、統一企業中国HD(ユニプレジデント・チャイナ:220/HK)が0.9%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が0.8%高、中糧肉食HD(COFCOミート・ホールディングス:1610/HK)が1.9%高、華潤ビールHD(291/HK)が1.6%高、青島ビール(168/HK)が1.4%高と上昇した。
 一方、本土マーケットは小幅に4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.03%安の2812.96ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が安い。資源・素材株、インフラ関連株、保険株、空運株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。不動産株、医薬品株、公益株、銀行株の一角も買われた。



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