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2025/05/07 13:30

香港前場:ハンセン0.5%高で5日続伸、上海総合は0.6%上昇 無料記事

 7日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比111.24ポイント(0.49%)高の22773.95ポイントと5日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が20.75ポイント(0.25%)高の8282.36ポイントと4日続伸した。売買代金は1480億1910万香港ドルに拡大している(6日前場は1244億9500万香港ドル)。
 投資家心理がやや上向く流れ。米中通商協議の開始や、中国の政策に対する期待感が支えだ。複数の米メディアは7日朝方(日本時間)、「米国のベッセント財務長官と米国通商代表部(USTR)のグリア代表は今週、中国側の代表とスイスで会談する予定」と伝えている。報道によると、この会談は、米中間で進行中の貿易戦争を解決するための重要な一歩となる見通しだ。また、中国人民銀行(中央銀行)など金融当局者は朝方、共同記者会見を実施し、「市場と期待を安定させる金融政策パッケージ」を発表。預金準備率とリバースレポ金利の引き下げや、保険資金の長期投資をさらに促進するなど市場支援の方針を明らかにした。
 ただ、上値は限定的。中央アジアの地政学リスクが逆風だ。インド国防相は7日、パキスタンと領有権を争うカシミール地方のうち、パキスタンが実効支配する地域などにあるイスラム過激派組織の拠点を軍事攻撃したと発表している。一方、パキスタン政府はインド空軍機を撃墜したことを明らかにした。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が7日(日本時間8日未明)に公表されることも気がかりだ。ハンセン指数は2.2%高で寄り付いたが、上げ幅を徐々に縮小させている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が6.0%高、香港リート(不動産投資信託)の領展房地産投資信託基金(823/HK)が4.3%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が3.1%高と上げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が高い。合景泰富集団HD(1813/HK)が4.6%、中国奥園集団(3883/HK)が4.3%、世茂集団HD(813/HK)が2.4%、広州富力地産(2777/HK)が2.0%ずつ上昇した。
 中国の銀行・証券セクターもしっかり。中国建設銀行(939/HK)が2.8%高、中国工商銀行(1398/HK)が2.2%高、中信証券(6030/HK)が2.8%高、国聯証券(1456/HK)が2.5%高で前場取引を終えた。
 半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の銘柄群は安い。薬明生物技術(2269/HK)が5.8%、薬明合聯生物技術(2268/HK)が5.7%、来凱医薬(2105/HK)が4.2%、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が3.4%ずつ下落した。米国でも事業展開するCRO各社は、トランプ米大統領が「今後2週間以内に、医薬品の品目別関税を発表する」と述べたことで、悪影響が及ぶと警戒されている。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.64%高の3337.23ポイントで前場取引を終了した。金融が上げを主導。不動産、インフラ関連、資源・素材、消費関連、自動車なども買われた。半面、医薬は安い。半導体も売られた。



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