/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2025/03/31 13:45

香港前場:ハンセン1.7%安で続落、上海総合は1.0%下落 無料記事

 週明け31日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比404.55ポイント(1.73%)安の23022.05ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が126.77ポイント(1.47%)安の8479.74ポイントと続落した。売買代金は1437億9310万香港ドルとなっている(28日前場は1317億2150万香港ドル)。
 外部環境の不透明感が重しとなる流れ。米経済のスタグフレーション(景気の停滞とインフレの進行)が警戒される中、先週28日の米株市場では、主要株価指数が大幅に3日続落した。また、米政権が貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の発動を4月2日に控えていることも、気がかり材料として意識されている。
 一方、寄り付き直後に公表された国家統計局による3月の中国景況感指数に関しては、製造業PMIが50.5と市場予想(50.4)を上回った。非製造業PMIも50.8と市場予想(50.6)を上回っている。現時点で相場に対する影響はそれほどみられていない。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が8.9%安、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が5.5%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が5.2%安と下げが目立った。
 セクター別では、ゼネコンなどインフラ建設関連が安い。中国中鉄(390/HK)が11.3%、
中国鉄建(1186/HK)が6.0%、中国交通建設(1800/HK)が4.4%、中国建築国際集団(3311/HK)が3.7%ずつ下落した。28日に起きたミャンマーの大地震により、タイ・バンコクで建設中の高層ビルが倒壊。中国企業が施工に携わったとの報道が不安視された。
 半導体やクラウド、スマートドライブの銘柄群も急落。上海復旦微電子集団(1385/HK)が9.6%安、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が8.2%安、金山雲HD(3896/HK)が6.8%安、万国数拠HD(9698/HK)が5.2%安、地平線(9660/HK)が10.3%安、速騰聚創科技(2498/HK)が8.2%安と値を下げた。テック銘柄に売りが広がる中、ハンセン科技(テック)指数は3.1%安と他の主要指数をアンダーパフォームしている。
 半面、中国の銀行セクターはしっかり。中国建設銀行(939/HK)が3.3%高、中国銀行(3988/HK)が2.4%高、招商銀行(3968/HK)が1.6%高で前場取引を終えた。大手銀の資本増強がセクター全体の支援材料となっている。中国建設銀行、中国銀行、交通銀行(3328/HK)、中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)の大手4行は3月30日、資本増強計画を発表した。財政部などを引受先とするA株の第三者割当増資を実施し、総額で最大5200億人民元(約10兆7300億円)を調達するという。銀行が金融緩和による利益縮小や不良債権の増加に直面する中、資本増強による経営の安定化が期待された。
 本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.97%安の3318.77ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが安い。インフラ建設、軍需産業、素材、不動産、医薬、消費関連なども売られた。半面、銀行は高い。エネルギー、公益も買われた。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース