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2020/07/24 17:31

香港大引:ハンセン2.2%高で急反落、米中緊張で投資家心理悪化 無料記事

 24日の香港マーケットは大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比557.67ポイント(2.21%)安の24705.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が244.39ポイント(2.37%)安の10080.86ポイントとそろって反落した。ハンセン指数は今月の安値を更新。売買代金は1666億6000万香港ドルに拡大した(23日は1405億7200万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)
 米中関係の緊張が警戒されるなかで、投資家心理が悪化。中国外交部は24日、米政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要求したことに対する対抗措置として、四川省成都市の米国総領事館に対し閉鎖を命じたことを明らかにした。ヒューストンの領事館閉鎖に関して米国務省の報道官は22日、「米国の知的財産権や米国民の個人情報を保護するため」と説明している。一方、中国外交部は「あり得ない措置」と猛抗議し、対抗措置を打ち出す用意があると明言していた。両国はこれまで、新型コロナウイルス、ハイテク、国家安全保障、香港問題など多数の分野で対立を深めている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が8.6%安、香港不動産の龍倉置業地産投資(1997/HK)が5.7%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が5.2%安と下げが目立った。中国生物製薬に関しては、大株主で最高経営責任者(CEO)の謝炳氏が保有株の一部を売却すると発表したことも売り材料視されている。
 セクター別では、中国の医薬品が安い。上記した中国生物製薬のほか、広州白雲山医薬集団(874/HK)が9.2%、翰森製薬集団(3692/HK)が8.9%、三生製薬(1530/HK)が8.6%、薬明生物技術(2269/HK)が6.0%、康哲薬業HD(867/HK)が5.7%ずつ下落した。
 中国不動産セクターもさえない。中国恒大集団(3333/HK)が6.1%安、中国金茂HD(817/HK)が3.8%安、合景泰富地産HD(KWGプロパティーホールディング:1813/HK)が3.7%安、融創中国HD(1918/HK)が3.3%安で引けた。当局の引き締めスタンスを懸念。深セン市に続き、南京市でも23日、住宅購入規制を強化する方針が明らかにされる。先行して規制強化が始まった深セン市では、中古住宅の取引が急減したと伝わった。
 半導体や通信設備・工事など第5世代移動通信システム(5G)関連も急落。華虹半導体(1347/HK)が9.0%安、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.6%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.4%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が5.7%安、京信通信系統HD(2342/HK)が2.8%安と値を下げた。
 一方、本土マーケットは大幅続落。主要指標の上海総合指数は、前日比3.86%安の3196.77ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。不動産株、医薬品株、消費関連株、ハイテク株、自動車株、運輸株、インフラ関連株、資源・素材株なども売られた。半面、防衛関連株は高い。産金株も買われた。


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