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2019/05/15 13:32

香港前場:ハンセン0.7%高で反発、上海総合は1.1%上昇 無料記事

 15日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比204.30ポイント(0.73%)高の28326.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が71.61ポイント(0.67%)高の10835.63ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は504億7100万香港ドルに縮小している(14日前場は717億2500万香港ドル)。
 米中貿易戦争の過度な警戒感がひとまず薄らぐなか買いが先行。トランプ米大統領はホワイトハウスで会見し、6月下旬に日本で開かれるG20(20カ国・地域首脳会議)首脳会議に合わせ、中国の習近平・国家主席と直接会談する考えを明らかにした。また、中国外交部は14日、「米中は通商交渉の継続で合意済み」とする認識を示している。取引時間中に公表された4月の中国経済指標は軒並み下振れ。発表直後に指数は上げ幅をやや削ったものの、程なく持ち直している。足元の景気減速を受け、政府が経済対策を強化するとの期待感が強まった。
 ハンセン指数の構成銘柄では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が5.1%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.9%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)と電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)がそろって2.7%高と上げが目立った。米国での売り上げが大きい万洲国際と創科実業は、米中対立の懸念で前日に急落。この日は買い戻しが先行した。
 業種別では、中国の金融が高い。新華人寿保険(1336/HK)が2.5%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.2%、中国平安保険(2318/HK)が1.5%、招商銀行(3968/HK)が2.2%、中国工商銀行(1398/HK)が1.1%ずつ上昇した。
 家電や小売、酒造など消費セクターもしっかり。創維数碼HD(スカイワース・デジタル:751/HK)が4.4%高、海爾電器集団(ハイアール電器:1169/HK)が3.0%高、TCL電子HD(1070/HK)が2.1%高、聯華超市(980/HK)が2.8%高、国美零售HD(493/HK)が2.7%高、華潤ビール(291/HK)が1.9%高、青島ビール(168/HK)が1.4%高で前場を終えた。この日公表された4月の中国小売売上高は前年同月比7.2%増にとどまり、伸びは市場予想(8.6%)と前月実績(8.7%)を大幅に下回った。2003年5月以来の低い伸びに低迷したものの、現時点で嫌気する売りは限定されている。
 5G関連銘柄も物色された。通信設備の京信通信系統HD(2342/HK)が3.1%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が2.7%高、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が5.1%高、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が3.0%高、光ファイバー・ケーブルメーカーの長飛光繊光纜(6869/HK)が1.4%高で引けている。
 本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.10%高の2915.28ポイントで前場の取引を終えた。消費関連株が高い。金融株、運輸株、医薬品株、不動産株、インフラ関連株、ハイテク株など幅広く買われた。


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