12日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比397.68ポイント（1.54％）高の26169.35ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が160.74ポイント（1.57％）高の10405.75ポイントと6日ぶりに反発した。半日の売買代金は384億900万香港ドルとなっている（11日前場は362億6700万香港ドル）。
　米中通商協議の進展期待が強まる流れ。米メディアは11日、「中国政府は米国からの輸入車にかかる25％の報復関税を撤廃し、従前の15％に引き下げることを検討している」と消息筋情報として報じた。中国金融統計の上振れもプラス。今年11月の人民元建て新規融資は前月実績から大幅に拡大し、市場予想も上回った。また、中国の政策支援も期待される。今週末から「中央経済工作会議」が開かれる見通し――と伝わった。一段の減税推進や財政支出の拡大などが議題に上るとみられている。
　ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地（1109/HK）が5.9％高、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD（151/HK）が4.5％高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際（WHグループ：288/HK）が4.0％高と上げが目立った。
　業種別では、小売や食品・飲料の消費関連が高い。上記した中国旺旺と万洲国際のほか、百盛商業集団（パークソン・リテール：3368/HK）が3.9％、青島ビール（168/HK）が5.2％、統一企業中国HD（220/HK）が2.7％ずつ値を上げた。
　中国の金融セクターもしっかり。中国人民財産保険（2328/HK）が2.7％高、中国人寿保険（チャイナライフ：2628/HK）が2.5％高、華泰証券（6886/HK）が2.7％高、海通証券（6837/HK）が2.2％高、交通銀行（3328/HK）が2.3％高、中国工商銀行（1398/HK）が2.0％高で引けた。
　他の個別株動向では、3大通信キャリアが基地局資産を注入する形で設立した中国鉄塔（チャイナ・タワー：788/HK）が4.7％高と上昇。8月に新規上場した同社株は上場来高値を更新し、一時6.3％高と急伸している。5Gに対する取り組みが注視されるなか、外資機関投資家の動きも注目された。世界最大の資産運用会社、ブラックロックは同社株を12月5日に買い増し。保有株比率は4.99％→5.00％に上昇した。
　本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.20％高の2599.16ポイントで前場の取引を終えた。インフラ関連株が高い。不動産株、公益株、運輸株、自動車株、消費関連株なども買われた。


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