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2019/03/21 17:48

香港大引:ハンセン0.9%安で続落、減配失望で中国移動4.8%下落 無料記事

 21日の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比249.41ポイント(0.85%)安の29071.56ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が80.89ポイント(0.70%)安の11544.09ポイントとそろって続落した。売買代金は1140億2900万香港ドルとなっている(20日は1031億6900万香港ドル)。
 米中貿易問題の不透明感が逆風。トランプ米大統領はメディアインタビューで、「対中制裁関税の解除は議論していない」と答えた。通商協議は進展していると伝えられているものの、制裁関税が長期化するとの不安が投資家心理を冷やしている。米金融引き締めの懸念後退で買われる場面がみられたものの、指数は中盤から下げに転じた。米連邦準備理事会(FRB)は日本時間21日未明、米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明で、年内の利上げ回数見通しをゼロと発表している(従前では年内2回利上げの見込み)。
 ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が4.8%安と後場に急落。昼に報告した18年決算では、期末配当が前年比で12%の減配となり、市場の失望感を誘った。そのほか、インフラ投資会社の長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)が3.3%安、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.2%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.0%安などと下げが目立っている。
 業種別では、第5世代(5G)ネットワークの関連銘柄がさえない。通信設備の京信通信系統HD(2342/HK)が2.2%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が1.3%安、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が1.2%安、基地局運営の中国鉄塔(チャイナ・タワー:788/HK)が1.1%安、光ファイバー・ケーブルメーカーの長飛光繊光纜(6869/HK)が2.6%安で引けた。
 半面、医薬品セクターは高い。四環医薬HD集団(460/HK)が4.3%、石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が3.6%、中国生物製薬(1177/HK)が3.1%、康哲薬業HD(867/HK)が2.0%、中国神威薬業集団(2877/HK)が1.5%ずつ上昇した。抗生物質・ビタミンC生産の石薬集団は21日、傘下の石薬集団新諾威製薬(300765/SZ)が22日付で深センの新興企業向け市場「創業板」に上場することを公表している。
 他の個別株動向では、民間自動車メーカーの吉利汽車(175/HK)が後場から買われ2.3%高で引けた。昼に公表した通期決算は予想通り増収増益。そのうえで、期末配当が増額された。生命保険大手の新華人寿保険(1336/HK)も7.7%高と上げが目立った。通期業績の5割増益が好感されている。
 本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.35%高の31001.46ポイントで取引を終えた。元高がメリットとなる空運・紙パルプがしっかり。ハイテク株、不動産株、エネルギー株、発電株、医薬品株、金融株なども物色されている。そのほか、メディア関連株が急伸した。


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