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2018/10/11 13:29

香港前場:ハンセン3.8%安で急反落、上海総合は4.3%下落 無料記事

 11日の香港マーケットは急落。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比986.04ポイント(3.76%)安の25207.03ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は427.70ポイント(4.10%)安の10015.01ポイントと3日ぶりに反落した。半日の売買代金は747億7800万香港ドルに拡大している(10日前場の売買代金は451億5700万香港ドル)。
 世界株安の連鎖を警戒。米金利の上昇や米中関係の悪化を不安視し、昨夜の米株が急落した流れを継いだ。アジア株市場でも、日本や韓国、台湾などで主要株価指標が軒並み下げている。米中関係を巡っては、米司法省が10日、産業スパイの疑いがあるとして、国家安全部(中国の情報機関)の高官を訴追したと公表。また、米財務省高官は8日、最近の人民元安を懸念していることを明らかにした。米財務省は来週発表する半期に一度の「為替報告書」で、中国を「為替操作国」に認定する可能性が指摘されている。中国が操作国に認定される事態になれば、米中対立は一段とエスカレートし、外国為替市場も混乱する可能性がある。
 ハンセン指数の構成銘柄は全面安の商状。インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が7.3%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)と小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(2018/HK)がそろって7.2%安と値下がり率上位に並んだ。テンセントは10日続落し(上場来の最長続落記録を更新)、約1年5カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
 業種別では空運、紙・パルプの下げが目立つ。中国南方航空(1055/HK)が6.5%安、中国国際航空(753/HK)が5.0%安、玖龍紙業(2689/HK)が5.4%安、理文造紙(2314/HK)が5.0%安で引けた。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、人民元安の動きが懸念されている。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を8営業日連続で元安(=ドル高)方向に設定した。
 中国の自動車セクターも安い。北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が13.3%、長城汽車(2333/HK)が7.2%、広州汽車集団(2238/HK)が6.8%、東風汽車集団(489/HK)が6.1%、吉利汽車HD(175/HK)が5.7%ずつ下落した。各社の月次統計では、吉利汽車や長城汽車、東風汽車などが前年同月比での販売台数減少を公表している。業績不安も強まる状況だ。
 中国不動産セクターも売られる。雅居楽地産HD(3383/HK)が10.7%安、広州富力地産(2777/HK)が7.4%安、碧桂園HD(2007/HK)が6.8%安、首創置業(2868/HK)が5.2%安、恒大地産集団(3333/HK)が4.8%安と値を下げた。
 本土マーケットは3日ぶり急反落。主要指標の上海総合指数は、前日比4.34%安の2607.44ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株、資源・素材株、不動産株、消費関連株などの売りが目立っている。


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