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2018/10/12 13:40

香港前場:ハンセン1.2%高で反発、上海総合は0.1%安 無料記事

 12日の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比297.16ポイント(1.18%)高の25563.53ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は140.79ポイント(1.39%)高の10233.31ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は586億2500万香港ドルに縮小している(11日前場の売買代金は747億7800万香港ドル)。
 中国統計の上振れを好感。取引時間中に公表された9月の貿易統計では、人民元ベースでの伸び率が輸出・輸入ともに予想を上回っている。米中貿易摩擦が激化するなかにあって、貿易環境が良好だったことが確認できた格好だ。米金利上昇の一服を手がかりに指数はプラス圏でスタートし、統計発表後に上げ幅を広げている。米国の追加関税措置を控えた駆け込み需要が膨らんだもよう。米トランプ政権は9月24日(現地時間午前0時)、「知的財産権侵害」に対抗する制裁関税の第3弾として、中国からの輸入品2000億米ドル(約22兆5800億円)相当に対する追加関税措置を発動した。中国政府による一連の貿易推進策も輸出入を促したとみられている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が7.7%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が5.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)とインターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)がそろって5.1%高と上げが目立った。時価総額上位の本土系銀行も物色されている。舜宇光学科技に関しては、今年9月のスマートフォン用レンズ出荷数が前年同月比で61.0%増加し、伸び率が前月の46.2%から加速したことが材料視された。また、テンセントは11日ぶりの反発となっている。
 業種別では、海運・空運が高い。太平洋航運集団(2343/HK)が2.9%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.4%、中遠海運HD(1919/HK)が1.7%、中国南方航空(1055/HK)が2.7%、中国国際航空(753/HK)が2.3%、中国東方航空(670/HK)が2.2%ずつ上昇した。空運各社に関しては、米ドル建て債務の比率が高いため、人民元安の一服が追い風となった。上海外国為替市場では、人民元の対米ドル相場が今週に入り6.92台で推移していたが、この日は6.90台と元高が進んでいる。原材料を輸入に頼る紙・パルプ株も値上がりした。
 小売や食品・飲料の消費関連セクターもしっかり。聯華超市(980/HK)が3.8%高、国美零售HD(ゴメ・リテール・ホールディング:493/HK)が1.4%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が5.5%高、中国旺旺HD(151/HK)が2.5%、万洲国際(WHグループ:288/HK)が1.4%で引けた。
 一方、本土マーケットは小幅ながら続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12%安の2580.24ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク関連株が安い。不動産株、発電株、エネルギー株なども売られた。半面、銀行・保険株、空運株、食品・飲料株は値上がりしている。


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