22日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比275.05ポイント（1.01％）安の26921.49ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が132.90ポイント（1.24％）安の10580.15ポイントとそろって3日ぶりに反落した。半日の売買代金は477億3500万香港ドルとなっている（21日前場は555億7000万香港ドル）。
　米英の政治を巡る不透明感が嫌気された。メキシコ国境の壁建設を巡る与野党の対立が長期化するなか、米国では政府機関の一部閉鎖に解消の目途が立っていない。英国の欧州連合（EU）離脱問題に関しては、前回否決された離脱案に対する代替案をメイ首相が21日に英議会へ提出。まとまらなかった場合、「合意なき離脱」が現実化することにもなりかねず、予断が許されない状況だ。世界景気の減速も警戒される。国際通貨基金（IMF）は21日、2019年の世界経済見通しについて、成長率予測を前回（18年10月）の3.7％から3.5％に下方修正した。中国の景気テコ入れ策に対する期待感が根強いなか、指数はプラス圏に浮上する場面がみられたものの、中盤から売りの勢いが増している。
　ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬（1177/HK）が5.3％安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD（175/HK）が4.9％安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD（AACテクノロジーズ・ホールディングス：2018/HK）が4.6％安、中国政府系デベロッパーの華潤置地（1109/HK）が3.6％安と下げが目立った。
　業種別では、中国の不動産が安い。上記した華潤置地のほか、碧桂園HD（2007/HK）が3.3％、中国恒大集団（3333/HK）が2.7％、中国海外発展（688/HK）が2.6％、広州富力地産（2777/HK）が2.1％ずつ下落した。
　セメントや鉄鋼の素材セクターも売られる。中国建材（3323/HK）が2.6％安、安徽海螺水泥（安徽コンチセメント：914/HK）が2.3％安、華潤水泥HD（1313/HK）が2.2％安、鞍鋼（347/HK）が3.5％安、馬鞍山鋼鉄（323/HK）が2.2％安で引けた。
　本土マーケットは3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73％安の2591.37ポイントで前場の取引を終えた。消費関連株が安い。インフラ関連株、運輸株、資源・素材株、医薬株、自動車株、金融株なども売られた。半面、不動産株はしっかり。



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