17日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比98.33ポイント（0.37％）高の27000.43ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が50.32ポイント（0.48％）高の10605.84ポイントとそろって3日続伸した。半日の売買代金は560億3000万香港ドルに上っている（16日前場は493億300万香港ドル）。
　中国の政策期待が持続する流れ。中国景気の先行き不安がくすぶるなか、当局は相次いで景気テコ入れ策を打ち出している。中国人民銀行（中央銀行）は16日、公開市場操作で過去最大規模となる差し引き5600億人民元（約9兆億円）を資金供給した。本日も差し引き3800億人民元と大規模な資金供給に踏み切っている。また、李克強首相は16日、経済の専門家を集め、景気下支えに向けた座談会を開催。「雇用や国内消費の拡大を奨励する」と発言した。当局が打ち出す各種経済対策は、総額で4兆人民元規模に達する――との観測も流れている。ただ、指数はマイナス圏で推移する場面もみられた。米紙が16日、「米通信会社の企業秘密を盗んだ疑いで、米政府が中国通信設備メーカーの華為技術（ファーウェイ）を捜査している」と報道したことを嫌気している。
　ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬（1177/HK）が5.1％高、医薬品メーカーの石薬集団（1093/HK）が3.2％高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD（175/HK）が2.8％高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）が1.9％高と上げが目立った。
　業種別では、中国の保険が高い。新華人寿保険（1336/HK）が2.6％、中国平安保険（2318/HK）が1.8％、中国人寿保険（チャイナライフ：2628/HK）が1.6％、衆安在線財産保険（6060/HK）が1.5％、中国太平洋保険集団（2601/HK）が1.3％ずつ値を上げている。
　マカオ・カジノセクターもしっかり。新濠国際発展（メルコ・インターナショナル：200/HK）が1.7％高、美高梅中国HD（MGMチャイナ・ホールディングス：2282/HK）が1.6％高、澳門博彩HD（SJMホールディングス：880/HK）が1.4％高、銀河娯楽集団（ギャラクシー・エンターテインメント：27/HK）が1.3％高、永利澳門（ウィン・マカオ：1128/HK）が1.2％高で引けた。
　港湾セクターも物色される。廈門国際港務（アモイ国際港務：3378/HK）が5.1％高、天津港発展HD（3382/HK）と中遠海運港口（1199/HK）がそろって2.4％高、大連港（2880/HK）が1.0％高と上昇した。
　本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.46％高の2582.19ポイントで前場の取引を終えた。金融株が相場をけん引する。食品・飲料株、資源・素材株、医薬品株、公益株なども買われた。半面、ハイテク株、自動車株は値下がりしている。



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