16日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比188.35ポイント（0.63％）高の29999.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が131.67ポイント（1.13％）高の11763.53ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は549億6800万香港ドルに縮小している（15日前場は644億900万香港ドル）。
　企業業績の改善期待が強まる流れ。各社がこれまで報告した月次統計や四半期決算は、総じて好内容となっている。また、足元の経済指標も景気持ち直しを示唆したものが多い。中国の追加金融緩和の期待感が後退するなか売りが先行したものの、指数は中盤からプラスに転じた。中国人民銀行（中央銀行）が19営業日ぶりに公開市場操作（オペ）を再開し、市場に資金供給したことも買い安心感につながっている。
　時価総額上位の本土系金融株が上げを主導。中国建設銀行（939/HK）が2.9％高、中国工商銀行（1398/HK）が2.4％高、中国銀行（3988/HK）が1.9％高、中国人寿保険（チャイナライフ：2628/HK）が2.4％高、中国平安保険（2318/HK）が1.8％高で引けた。銀行に関しては、3月の新規融資上振れを改めて材料視。保険については、各社が報告した1〜3月の営業実績で、収入保険料の伸びが総じて堅調だったことを好感した。
　第5世代（5G）通信ネットワークの関連銘柄も物色される。通信設備の中興通訊（ZTE：763/HK）が3.1％高、京信通信系統HD（2342/HK）が2.5％高、通信インフラ工事の中国通信服務（552/HK）が0.6％高、光ファイバー・ケーブルメーカーの長飛光繊光纜（6869/HK）が1.7％高と買われた。
　他の個別株動向では、太陽光発電用シリコンインゴット生産の陽光能源HD（757/HK）が1.6％高としっかり。同社はは15日引け後、今年1〜3月期の売上高が前年同期比で40.4％増加したと報告した。増加率は18年通年の0.5％から大きく加速している。石炭大手の中国中煤能源（1898/HK）は3.6％高と反発。今年3月の石炭販売量は前年同月比で5割増加し、19カ月連続のプラス成長を達成した。増加率は前月の7.2％から拡大している。
　半面、自動車セクターは安い。北京汽車（1958/HK）が4.2％、長城汽車（2333/HK）が3.0％、吉利汽車HD（175/HK）が2.4％、広州汽車集団（2238/HK）が0.9％ずつ下落した。
　一方、本土マーケットは4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.11％高の3213.06ポイントで前場の取引を終えた。金融株が相場をけん引する。食品・飲料株、ハイテク株、資源・素材株、医薬品株、空運株なども買われた。



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