29日の中国本土マーケットは大幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比95.81ポイント（3.20％）高の3090.76ポイントと反発した。年初来の高値水準まで戻している（2019年の終値最高は3106ポイント）。上海A株指数も上昇し、100.48ポイント（3.20％）高の3237.20ポイントで取引を終えた。
　中国景気の先行き不安が薄らぐ。李克強首相は28日、国際的な経済会議の「博鰲（ボアオ）アジアフォーラム」で演説。「今年に入り、中国経済は安定的に推移し、3月は電力消費が2ケタ増となるなど改善が顕著だ」と国内経済に自信を示した。また、米中貿易問題を巡り、協議は順調に進んでいると伝わったことも好感されている。
　主力銘柄の好決算も買い安心感を誘う。白酒（中国の蒸留酒）メーカー大手の貴州茅台酒（貴州マオタイ：600519/SH）は29日、通期業績の3割増益と配当の増額方針（前年から3割増）を明らかにした。同社株は5.9％高の853.99人民元に上昇し、上場来高値を更新している。決算報告を受けてブローカー各社は目標株価を相次いで上方修正。なかでもゴールドマン・サックス（GS)は、ターゲットを1016人民元に設定した。GSは製品値上げなどを通じ、19年の増収率は20％に上ると予測している。
　株高がメリットとなる証券・保険株が急伸。中国銀河証券（601881/SH）と海通証券（600837/SH）がそろってストップ高、中信証券（600030/SH）が8.5％高、中国人寿保険（601628/SH）が7.4％高、中国人民保険集団（601319/SH）が6.7％高で引けた。空運株も高い。決算が上振れた中国国際航空(601111/SH)が8.0％上昇し、同業他社株にも買いが波及した。このほか消費関連株、自動車株、不動産株、インフラ関連株、ハイテク株、医薬品株なども上げが目立っている。
　外貨建てB株の相場も値上がり。上海B株指数が5.17ポイント（1.71％）高の306.78ポイント、深センB株指数が20.67ポイント（2.04％）高の1035.87ポイントで終了した。


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