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2018/08/31 13:28

香港前場:ハンセン0.9%安で続落、上海総合は0.1%下落 無料記事

 31日の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比257.46ポイント(0.91%)安の27906.59ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は76.87ポイント(0.70%)安の10890.74ポイントと3日続落した。半日の売買代金は547億5700万香港ドルに拡大している(30日前場の売買代金は430億2500万香港ドル)。
 米中貿易摩擦の警戒感が強まる流れ。中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象)を巡り、パブリックコメントの期限が9月5日に迫っている。そうしたなかで、「トランプ米大統領は、追加関税第3弾を早期に発動する考えを示した」と伝えられた。なお寄り付き前に公表された8月の中国製造業PMIは、予想に反して前月から上昇。ただ、現時点で好感する買いは限定的となっている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が4.5%安と急落。1銘柄でハンセン指数を121.5ポイント押し下げた。中国政府が30日、子どもの近視予防策を発表したことがネガティブ。保護者に対し子どもの電子機器使用を制限するよう提言したことで、オンラインゲーム事業の逆風になると懸念された。指数銘柄以外でも、オンラインゲームを展開する網龍網絡HD(ネットドラゴン・ウェブソフト:777/HK)が8.0%安と急反落している(前日は好決算を受けて15.6%高)。
 業種別では、海運・港湾がさえない。中遠海運HD(1919/HK)が3.0%安、中外運航運(368/HK)が1.6%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.0%安、中遠海運港口(1199/HK)が2.4%安で引けた。中遠海運に関しては、中間業績の98%減益も嫌気されている。
 業績動向を材料にした他の個別株動向では、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.8%安。中間利益は倍増したものの、予想に届かなかったことが失望された。このほか減益決算を明らかにした銘柄では、資産管理会社(AMC)の中国華融資産管理(2799/HK)が11.5%安、大手ブローカーの中国銀河証券(6881/HK)が2.3%安などと売られている。
 半面、好業績銘柄はしっかり。北京HD(北京エンタープライゼズ:392/HK)が5.8%高、中国中鉄(390/HK)が5.2%高、中国鉄建(1186/HK)が3.4%高、中国国際航空(753/HK)が3.1%高と値を上げた。中国中鉄や中国鉄建のゼネコン株については、「西部エリア大開発」を推進するために、中国政府は新たな指導意見を近く公表すると伝わったことも追い風。不足している交通インフラの整備を加速する方針だ。鉄道や道路の計画策定・承認・着工をスピードアップする。
 一方、本土マーケットは4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%安の2735.52ポイントで前場の取引を終えた。医薬株が安い。海運株、石油・石炭株、発電株、消費関連株なども売られた。半面、金融株や不動産株、自動車株、ゼネコン株、ハイテク株の一角などは物色されている。



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