31日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比334.48ポイント（1.21％）高の27977.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が162.01ポイント（1.49％）高の11059.14ポイントとそろって続伸した。半日の売買代金は643億1100万香港ドルに拡大している（30日前場は543億5500万香港ドル）。
　米金融引き締めペースの鈍化が期待される流れ。米連邦公開市場委員会（FOMC）では、市場の予想通り政策金利の据え置きが決まった。その後の声明でも、「緩やかな利上げ」の文言を削除し、先行きの利上げに慎重スタンスが示されている。中国景気に対する過度な不安も後退。取引前に発表された今年1月の中国製造業PMI（国家統計局などが集計・公表）は49.5となり、2カ月連続で節目の50を下回ったものの、前月実績（49.4）と市場予想（49.3）を上回った。また、同月の非製造業PMIは54.7という結果。前月の53.8から0.9ポイント上昇している。
　ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD（175/HK）が3.8％高、光学部品メーカーの舜宇光学科技（2382/HK）が3.7％高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント：27/HK)が3.6％高と上げが目立った。
　業種別では、中国の金融が高い。新華人寿保険（1336/HK）が7.1％、中国太平洋保険集団（2601/HK）が3.4％、中国平安保険（2318/HK）が3.0％、招商銀行（3968/HK）が3.3％、華泰証券（HTSC：6886/HK）が2.3％ずつ上昇した。新華人寿保険は2018年通期業績に関し、純利益が前年比で5割増加するとの見通しを報告している。
　非鉄やセメントなど景気動向に敏感な素材セクターも物色される。洛陽モリブデン集団（3993/HK）が6.7％高、江西銅業（358/HK）が4.6％高、中国アルミ（2600/HK）が2.5％高、中国建材（3323/HK）が3.7％高、安徽海螺水泥（914/HK）が2.9％高と値を上げた。洛陽モリブデンと江西銅業は、18年通期業績の大幅増益をそれぞれ予告している。
　太陽光発電の関連銘柄も急伸。保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー：3800/HK)が12.5％高、カ姆丹克太陽能系統集団(712/HK)が11.1％高、陽光能源HD(757/HK)が11.0％高とそろって大幅続伸した。業績改善の期待が強まっている。国内で太陽光パネルの価格が底入れし、上昇に転じていることが改めて材料視された。
　本土マーケットは4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.63％高の2591.84ポイントで前場の取引を終えた。金融株が相場をけん引。消費関連株、自動車株、資源・素材株、不動産株なども買われた。



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