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2020/12/11 17:40

香港大引:ハンセン0.4%高で反発、石油と自動車に買い 無料記事

 11日の香港マーケットは小幅に値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比95.28ポイント(0.36%)高の26505.87ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が36.78ポイント(0.35%)高の10452.50ポイントとそろって反発した。売買代金は1359億1400万香港ドルに拡大している(10日は1100億100万香港ドル)。
 商品市況高が材料視される流れ。昨夜のWTI原油先物は2.8%高と反発し、一時は約9カ月ぶりの高値を付けた。中国の景気対策にも期待感が広がっている。商務部の高峰・報道官は10日、消費の回復を促すため、年末から年始にかけて一連の消費促進策を展開すると発表した。
 ただ、対中制裁の余波が警戒される中で上値は限定的。指数算出会社のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは米東部時間9日、「米国防総省が中国人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業のリストを更新したことに絡み、株価指数の組み入れ銘柄から中国企業10社を除外する」と正式発表した。すでに、FTSEラッセルも先週4日、同様の理由で一部指数の組み入れ銘柄から中国企業8社を除外すると予告している。ハンセン指数は一時1%超上昇したものの、中盤から上げ幅を縮小させた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油大手3社の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が6.1%高、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.5%高、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.6%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.8%高と上げが目立った。
 セクター別では、自動車が高い。上記した吉利汽車のほか、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.8%、東風汽車集団(489/HK)が2.6%、広州汽車集団(2238/HK)が2.4%ずつ上昇した。上述した消費促進策には、自動車が重点品目として挙げられている。
 他の個別株動向では、太陽光発電素材メーカーの保利協キン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が14.6%高と急伸。生産能力の引き上げが材料視される。同社は昨日引け後、「粒状多結晶シリコン(ペレットシリコン)の有効生産能力について、年内に足元の6000トンから1万トンに引き上げる」と発表した。
 半面、海上輸送やコンテナリースなど海運関連セクターはさえない。中遠海運HD(1919/HK)が4.3%、東方海外(オリエント・オーバーシーズ:316/HK)が4.2%、太平洋航運集団(2343/HK)が3.0%、中遠海運発展(2866/HK)が4.1%ずつ下落した。
 医薬品セクターの一角も売られる。康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が8.7%安、石薬集団(1093/HK)が1.7%安、中国生物製薬(1177/HK)が1.2%安、中国神威薬業集団(2877/HK)が1.1%安で取引を終えた。このほか、スマートフォン部品メーカーの丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が3.2%安。同社は10日引け後、11月のカメラ部品出荷が前年同月比で16.8%減少したと報告した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.77%安の3347.19ポイントで取引を終えた。保険株が下げを主導する。不動産株、素材株、運輸株、自動車株、消費関連株、銀行株、公益株、インフラ関連株、防衛関連株なども売られた。半面、半導体株の一角は高い。エネルギー株の一角も物色されている。


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