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2021/02/09 13:33

香港前場:ハンセン0.4%高で3日続伸、上海総合は1.2%上昇 無料記事

 9日前場の香港マーケットは値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比113.45ポイント(0.39%)高の29432.92ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が33.47ポイント(0.29%)高の11593.48ポイントと4日ぶりに反発した。半日の売買代金は803億3000万香港ドルに縮小している(8日の前場は1083億7000万香港ドル)。
 米株の高値更新が相場を支える流れ。バイデン米大統領が掲げる1兆9000億米ドル規模の追加経済対策が早期に成立するとの見方が広がるなか、昨夜の米市場では主要3指数がそろって史上最高値を更新した。商品市況高も好材料。WTI原油先物は2.0%高と6日続伸し、一時、昨年1月以来の高値を付けた。昨夜のロンドン金属市場(LME)やこの日の上海商品取引所では、銅やニッケルなど主要商品の先物が軒並み上昇している。銅に関しては、中国の在庫が約10年ぶりの低水準に落ち込んでいると伝わった。春節シーズンは例年、銅在庫が増加する時期に当たるが、今年は連休中も工場の稼働率が高水準を維持するためという。人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物が再び低下したことも買い安心感につながった。春節(旧正月)の大型連休(香港は11日に半日立ち会い、12〜15日が休場)を間近に控え、指数は安く推移する場面がみられたものの、前引けにかけて持ち直している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.7%高、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.4%高と上げが目立っている。吉利汽車に関しては、今年1月の自動車販売が前年同月比で40%増加し、10カ月連続でプラス成長を達成したことも刺激材料だ。舜宇光学科技の販売動向も堅調。スマートフォン用レンズの出荷数は1月に前年同月比で36.1%増加した(プラス成長は2カ月連続)。
 セクター別では、非鉄(レアアース)関連が高い。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が7.8%、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が5.2%、江西銅業(358/HK)が4.3%、五鉱資源(1208/HK)が3.4%ずつ上昇した。
 農業関連セクターも急伸。窒素系肥料メーカーの中海石油化学(チャイナ・ブルーケミカル:3983/HK)が11.6%高、肥料販売中国最大手の中化化肥HD(サイノフェルト:297/HK)が9.8%高、農機メーカー中国大手の第一トラクター(ファースト・トラクター:38/HK)が3.1%高で前場取引を終えた。
 半導体セクターもしっかり。華虹半導体(1347/HK)が7.1%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.8%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が6.1%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が2.0%高で引けた。華虹半導体は本日、通期決算を報告する。好業績を期待する先回り買いが入ったようだ。
 「巣ごもり消費」関連も物色される。オンラインゲームでは、心動(XD:2400/HK)が5.4%高、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が5.3%高とそろって上場来高値を更新した。また、ショート動画投稿アプリ「快手(クアイショウ)」を展開する快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が13.5%高、live動画アプリの映客互娯(インカー:3700/HK)が5.5%高と値を上げている。先週5日に上場した快手科技については、株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)が8日引け後、ハンセン科技指数、中国本土株指数(旧H株指数)、ハンセン総合指数などに新規採用すると発表した。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.22%高の3575.66ポイントで前場の取引を終了した。素材株が高い。ハイテク株、自動車株、食品飲料株、医薬品株、エネルギー株、不動産株、防衛関連株、海運株、証券株なども買われた。



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