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2021/03/15 13:39

香港前場:ハンセン0.6%高で反発、上海総合は0.6%下落 無料記事

 週明け15日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比167.43ポイント(0.58%)高の28907.15ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が48.66ポイント(0.44%)高の11221.61ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は1062億6000万香港ドルとなっている(12日の前場は1132億5000万香港ドル)。
 中国景気の持ち直しが意識される流れ。取引時間中に公表された今年1〜2月の中国経済統計では、小売売上高が前年同期比33.8%増、鉱工業生産額が35.1%増に達し、市場予想をそろって上回った。また、米国では、新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の正常化に弾みがついている。ただ、上値は重い。金利高の警戒感が依然としてくすぶっている。低下傾向にあった米10年債利回りは12日、昨年2月以来の高水準に達した。中国で昼前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)は、翌日物などが上昇に転じている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が9.2%高と急伸。米国防総省が「人民解放軍の関連企業リスト」に組み入れたことによる投資規制について、米連邦地裁が一時差し止め判断を示したことを好感した。
 セクター別では、非鉄や建材、鉄鋼など景気動向に敏感な素材関連が高い。新疆新キン鉱業(3833/HK)が6.9%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.2%、北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が6.1%、中国建材(3323/HK)が2.7%、鞍鋼(347/HK)が5.4%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.9%ずつ値を上げた。
 中国不動産セクターもしっかり。華潤置地(1109/HK)が5.2%高、融創中国HD(1918/HK)が4.9%高、中国金茂HD(817/HK)が4.8%高、合景泰富集団HD(1813/HK)が4.5%高、万科企業(2202/HK)が2.6%高、碧桂園HD(2007/HK)が1.9%高で引けた。
 旅行やカジノなどレジャー関連も物色される。旅行では、中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が8.0%高、中国東方航空(670/HK)が7.7%高、中国国際航空(753/HK)が6.0%高、香港フラッグキャリアの国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が2.6%高、ツアー会社や旅行予約サイトの東瀛遊HD(EGLホールディングス:6882/HK)が1.6%高、同程芸龍HD(780/HK)が1.1%高。カジノでは金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.4%高、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。
 半面、自動車セクターはさえない。華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.9%安、東風汽車集団(489/HK)が2.3%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.2%安、吉利汽車HD(175/HK)が1.9%安、長城汽車(2333/HK)が1.6%安、広州汽車集団(2238/HK)が1.4%安と値を下げた。
 他の個別株動向では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.0%安と続落した(12日は4.4%安)。同社を巡っては、中国金融サービス大手のアントに続いてフィンテック規制の次期ターゲットになる――との観測が先週浮上。不安視する売りが続いた。
 そのほか、本日よりハンセン指数に組み入れられた銘柄の値動きは、海底撈国際HD(6862/HK)が2.4%安、龍湖集団HD(960/HK)が1.8%安、阿里健康信息技術(241/HK)が0.4%高となっている。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%安の3432.01ポイントで取引を終了した。食品飲料株が安い。ハイテク株、医薬品株、自動車株、素材株、公益株、保険・証券株なども売られた。半面、銀行株は高い。空運株、エネルギー株、不動産株も買われた。


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