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2021/03/12 13:44

香港前場:ハンセン0.3%安で4日ぶり反落、上海総合は0.4%上昇 無料記事

 12日前場の香港マーケットは、主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比73.73ポイント(0.25%)安の29311.88ポイントと4日ぶりに反落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は76.20ポイント(0.67%)高の11416.60ポイントと3日続伸した。半日の売買代金は1132億5000万香港ドルとなっている(11日の前場は1093億4000万香港ドル)。
 様子見スタンスが漂う流れ。中国では週明け15日、今年2月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が発表される。その内容を見極めたいとするスタンスが強まった。ただ、下値は限定的。内外の政策期待が相場を支えている。新型コロナウイルス流行を受けた1兆9000億米ドル規模の米追加経済対策法は、バイデン米大統領の署名を経て成立。早ければ今週末にも、1人当たり最大1400米ドル(約15万円)の現金給付が開始される。中国国内では、全国人民代表大会(全人代)が11日に閉会。李克強首相はその後の記者会見で、今年は経済の安定成長と新規雇用の創出を主要目標に定めると述べている。ハンセン指数は小高く推移する場面もみられている。本土株指数は終始プラス圏だった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が3.9%安、香港地下鉄運営の香港鉄路(MTR:66/HK)が3.7%安、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が3.5%安と下げが目立った。3社はそれぞれ、12日朝までに20年通期決算を報告。AIAは3%減益、香港鉄路は赤字転落、中国聯通は1割増益だった。
 セクター別では、産金が安い。紫金鉱業集団(2899/HK)が3.1%、霊宝黄金(リンバオ・ゴールド:3330/HK)が2.4%、招金鉱業(1818/HK)が1.7%ずつ下落した。
 カジノセクターもさえない。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.4%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が1.7%安、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が1.0%安、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が0.4%安で引けた。
 半面、建材セクターは物色される。北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が2.5%高、華潤水泥HD(1313/HK)が1.7%高、中国建材(3323/HK)と中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)がそろって1.6%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が1.3%高と値を上げた。「低炭素社会」実現の取り組みを背景に、業界大手企業のプレゼンスが一段と高まるとの見方がある。
 中国不動産セクターも高い。融創中国HD(1918/HK)が10.6%、中国金茂HD(817/HK)が4.3%、合景泰富地産(1813/HK)が3.9%、碧桂園HD(2007/HK)が3.7%、雅居楽集団(3383/HK)が3.2%ずつ上昇した。
 「ニューエコノミー」関連の銘柄もしっかり。ハンセン科技指数は1.3%高と3日続伸した。米金利高の過度な懸念が薄らぐ中、昨夜の米株市場でハイテクなどグロース(成長)株が買われたことを好感する。組み入れウエート上位の銘柄では、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が8.5%高、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.9%高、ショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が3.5%高で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%高の3449.86ポイントで取引を終了した。発電株が高い。素材株、エネルギー株、不動産株、インフラ関連株、銀行株なども買われた。半面、食品飲料株は安い。自動車株、ハイテク株、医薬品株、証券株、保険株も売られた。


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