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2021/05/07 13:38

香港前場:ハンセン0.5%高で続伸、上海総合は0.4%上昇 無料記事

 7日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比149.65ポイント(0.52%)高の28787.11ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が15.62ポイント(0.15%)高の10771.99ポイントとそろって続伸した。半日の売買代金は748億9600万香港ドルとなっている(6日前場は929億9700万香港ドル)。
 米中の景気期待が続く。米国で6日発表の新規失業保険申請件数(週間)は、予想以上に前週から減少し、新型コロナウイルス感染が拡大した2020年3月以来の低水準にまで落ち着いた。労働市場の改善を背景に、景気回復が続くと期待されている。中国ではメーデー連休中の消費活動が活況だった。ただ、上値は重い。金属や原油、農産品などの商品市場で先高観が強まる中、コストプッシュインフレのマイナス面が意識された。不動産投機の抑制など引き締め懸念もくすぶっている。なお取引時間中に公表された4月の中国貿易統計は、輸出の伸びが大幅に上振れる半面、輸入はやや下振れた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.4%高、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)と石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)がそろって2.9%高と上げが目立った。
 セクター別では、海上輸送や港湾、コンテナ製造・リースなど海運関連が高い。中遠海運HD(1919/HK)が8.5%、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が4.1%、招商局港口HD(144/HK)が3.1%、中遠海運港口(1199/HK)が2.9%、中遠海運発展(2866/HK)が10.3%、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が2.4%ずつ上昇した。海運市況高が追い風。なかでも、国際的な海上運賃指標のバルチック海運指数(BDI)は先月からほぼ一本調子で上昇し、足元で2010年6月以来の高水準を切り上げている。また、上海航運交易所がまとめた4月30日の中国輸出コンテナ運賃指数(CCFI)は、算出以来の高水準を更新した。
 非鉄や鉄鋼、段ボールの素材セクターもしっかり。新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.2%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が5.4%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.8%高、江西銅業(358/HK)が1.7%高、重慶鋼鉄(1053/HK)が9.6%高、中国東方集団HD(581/HK)が2.5%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.0%高、玖龍紙業(2689/HK)が11.7%高、理文造紙(2314/HK)が8.6%高、山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が7.9%高と値を上げた。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、非鉄や鉄筋などの先物価格が堅調に推移している。中国や米国、欧州の一部などで経済活動の正常化が進む中、需要増の期待も高まる状況だ。また中国では、当局の環境対策による減産で市況が引き締まるとの見方も持続している。
 半面、スマートフォン部材・組立てや半導体の銘柄群はさえない。舜宇光学科技(2382/HK)が4.8%安、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が3.1%安、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.6%安、富智康集団(FIHモバイル:2038/HK)が1.0%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.0%安、華虹半導体(1347/HK)が1.1%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.42%高の3455.79ポイントで取引を終了した。素材株が高い。エネルギー株、銀行・保険株、海運株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。医薬品株、消費関連株、証券株も売られた。



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