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2021/03/09 13:31

香港前場:ハンセン1.4%高で4日ぶり反発、上海総合は0.2%下落 無料記事

 9日前場の香港マーケットは値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比384.09ポイント(1.35%)高の28924.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が67.56ポイント(0.61%)高の11082.35ポイントとそろって4日ぶりに反発した。ITやハイテクなど「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は1.95%高。前日は年初来安値を更新していた。半日の売買代金は1626億8700万香港ドルにやや拡大している(8日の前場は1422億2300万香港ドル)。
 景気持ち直しが改めて意識される流れ。米国では大規模な追加経済対策が近く成立する見通しだ。中国で11日まで開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、内需や投資の拡大、減税など各種政策が示されている。急落していた本土株が下げ渋ったこともプラス。政府系ファンドが中国株の購入に動いたと市場関係者の話として伝わった。米10年差利回りが高止まりする中、昨夜の米株市場で高PERのグロース株(成長株)が売られたことを嫌気し、香港でも指数が安く推移する場面がみられたものの、前引けにかけて上げ幅を急速に広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が8.5%高、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)とマカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)がそろって6.2%高と上げが目立った。
 セクター別では、非鉄や鉄鋼、段ボールなど景気動向に敏感な素材が高い。中国アルミ(2600/HK)が9.1%、江西銅業(358/HK)が6.3%、鞍鋼(347/HK)が5.4%、中国東方集団HD(581/HK)が2.2%、山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が6.5%、玖龍紙業(2689/HK)が4.6%ずつ上昇した。
 海上輸送やコンテナリース・生産、空運の運輸関連も物色される。中遠海運HD(1919/HK)が8.5%高、太平洋航運集団(2343/HK)が6.0%高、中遠海運発展(2866/HK)が5.1%高、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が4.3%高、中国南方航空(1055/HK)が5.7%高、中国国際航空(753/HK)が4.5%高、中国東方航空(670/HK)が3.2%高とそろって反発した。コンテナ海運大手の中遠海運8日引け後に公表した20年通期の業績速報では、売上高と純利益が事前予想をそろって上回っている。
 他の個別株動向では、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が11.6%高と急伸。同社は8日引け後、青海省ツァイダム盆地の一里坪塩湖プロジェクトに出資すると発表した。リチウム製品市場での一段のシェア拡大を図るため、原材料の安定確保を図る狙いという。
 半面、中国銀行セクターはさえない。中国農業銀行(1288/HK)が2.2%安、中国建設銀行(939/HK)が1.2%安、中国工商銀行(1398/HK)が1.1%安とそろって反落した。最大手行の工商銀は前日、昨年1月以来の高値水準を回復している。
 一方、本土マーケットは小幅ながら4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%安の3415.24ポイントで取引を終了した(一時2.72%安)。銀行株が安い。不動産株、半導体株、公益株、自動車株、素材株、インフラ関連株、防衛関連株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。小売株、医薬品株、運輸株、保険株も買われた。



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