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2021/03/22 13:28

香港前場:ハンセン0.2%安で続落、上海総合は0.9%上昇 無料記事

 週明け22日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比51.41ポイント(0.18%)安の28939.53ポイントと続落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は47.85ポイント(0.42%)高の11331.77ポイントと反発した。半日の売買代金は785億4300万香港ドルに縮小している(19日の前場は859億3400万香港ドル)。
 米株安が重し。先週末の米株市場では、米銀の資本規制緩和終了が嫌気されて主要指標にNYダウが続落した。22日のNYダウ先物も安く推移している。米中関係の悪化懸念もくすぶる状況。先週開催された米中の外交トップ会談では、安全保守や人権問題などの分野で歩み寄りがみられず、協議の次回開催予定も未定の状況だ。
 ただ、下値は限定的。金利高の警戒感が薄らぐ中、ハンセン指数はプラス圏で推移する場面もあった(本土株指数は安寄り後に上昇)。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は21日、中国の金融政策について、「流動性供給の余地はまだある」と発言し、金利を安定化するスタンスを強調している。中国人民銀行(中央銀行)が朝方公表した事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り11カ月連続で据え置かれた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.2%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が4.3%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.0%安と下げが目立った。
 セクター別では、食品飲料と酒造が安い。中国旺旺HD(151/HK)が3.2%、統一企業中国HD(ユニプレジデント・チャイナ:220/HK)と康師傅HD(ティンイー:322/HK)がそろって2.2%、華潤ビールHD(291/HK)が3.1%、百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が2.4%、青島ビール(168/HK)が1.9%ずつ下落した。統一企業中国の通期決算は19%増益。好感する買いは限定されている。
 医薬品がセクターもさえない。康哲薬業HD(867/HK)が6.1%安、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が2.7%安、石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が1.9%安、中国生物製薬(1177/HK)が1.7%安と値を下げた。
 半面、中国の銀行セクターは軒並み高。招商銀行(3968/HK)が4.9%、中国農業銀行(1288/HK)が4.1%、中国工商銀行(1398/HK)が3.0%、中国建設銀行(939/HK)が2.5%、中国銀行(3988/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって2.4%、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.9%ずつ上昇した。招商銀行が公表した通期決算は5%増益。不良債権比率は低下した。
 太陽光や風力などエコ発電関連も物色される。陽光能源HD(757/HK)が10.1%高、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が6.3%高、福莱特玻璃集団(フラット・グラス・グループ:6865/HK)が3.7%高、龍源電力集団(916/HK)が8.4%高、新疆金風科技(2208/HK)が7.4%高で引けた。太陽光発電用シリコンインゴット生産の陽光能源が先週、「原材料の値上がりで通期業績は40%減益を強いられる」との見通しを明らかにしたことについて、市場ではそれほど悪くないとの見方が浮上している。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.90%高の3435.41ポイントで取引を終了した。銀行株が相場をけん引する。発電株、インフラ関連株、ハイテク株、公益株、保険・証券株、空運株、自動車株なども買われた。半面、素材株は安い。食品飲料株、医薬品株の一角も売られた。



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