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2021/01/19 13:42

香港前場:ハンセン3.1%高で4日続伸、上海総合はほぼ横ばい 無料記事

 19日前場の香港マーケットは大幅に値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比883.40ポイント(3.06%)高の29746.17ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が333.76ポイント(2.91%)高の11796.28ポイントとそろって4日続伸した(ハンセン指数は約1年8カ月ぶりの高値)。「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は4.0%高。指数算出以来の高値を連日で更新した。半日の売買代金は1619億9900万香港ドルに拡大している(18日の前場は1272億8200万香港ドル)。
 中国の景気期待が強まる流れ。昨日公表された2020年の国内総生産(GDP)成長率が予想を上回り、主要国でプラス成長を唯一確保したとみられることが引き続き材料視された。第4四半期(10〜12月)のGDP成長率は前年同期比6.5%。市場予想(6.2%)以上に前四半期(4.9%)から加速し、コロナ前の水準を超えている。
 本土マネーの流入も追い風。18日の香港株式マーケットでは、中国本土との相互取引スキームを通じた買い越し額が229億7000万香港ドル(約3070億円)に達し、先週11日に付けた単日の過去最多を再び更新した。市場関係者によると、中国の景気回復、本土株に比べた値ごろ感などが香港への本土資金の流入を後押ししているという。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が10.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が9.5%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が7.2%高、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が6.7%高と上げが目立った(舜宇と安踏は上場来高値)。そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が6.2%高の512.00香港ドルと続伸し、連日で上場来高値を更新。心理的節目の500香港ドルを初めて突破した。資金流入や新規株式公開(IPO)の活発化で手数料収入などが増加すると期待されている。
 セクター別では、中国の不動産が高い。上記した華潤置地と碧桂園のほか、中国恒大集団(3333/HK)が16.4%、中国金茂HD(817/HK)が10.3%、融創中国HD(1918/HK)が9.6%、世茂房地産HD(813/HK)が9.5%、雅居楽集団HD(3383/HK)が5.7%ずつ上昇した。
 半導体セクターもしっかり。華虹半導体(1347/HK)が5.0%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.9%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.6%高で引けた(華虹は最高値更新)中国の経済発展を策定した第14次5カ年計画(2021〜25年)では、科学技術の発展も主要テーマの一つに指定されている。
 太陽光や風力などエコ発電関連銘柄の物色も続く。中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が19.5%高、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が11.2%高、陽光能源HD(757/HK)が2.9%高、龍源電力集団(916/HK)が4.5%高とそろって続伸した。中国は2060年までに、二酸化炭素(CO2)排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するとの国家目標を掲げている。
 一方、本土マーケットは小動き。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12ポイント安の3596.10ポイントで前場の取引を終了した。食品飲料株が安い。自動車株、海運株、防衛関連株、インフラ関連株なども売られた。半面、自動車株は高い。金融株、エネルギー株、公益株も買われた。



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