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2021/03/26 13:35

香港前場:ハンセン1.1%高で6日ぶり反発、上海総合は1.4%上昇 無料記事

 26日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比318.70ポイント(1.14%)高の28218.31ポイントと6日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が149.08ポイント(1.39%)高の10893.35ポイントと4日ぶりにそれぞれ反発した。半日の売買代金は994億5500万香港ドルにやや縮小している(25日前場は1200億7800万香港ドル)。
 内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。経済活動の早期正常化が期待される中、昨夜の米株市場では主要株価指数がそろって反発している。バイデン米大統領は25日、就任後初の記者会見に臨み、新型コロナウイルスのワクチン接種を4月末までに2億回とする新目標を明らかにした。従来目標の1億回から倍増する。米景気の回復が中国にも恩恵を及ぼすと期待された。世界銀行は26日、最新のGDP成長予測を報告。中国は2020年の2.3%から21年の8.1%に上昇するとの見通しを示した。また、中国本土では、預金準備率の引き下げ観測が流れている。中国メディアの報道によれば、特定の銀行に流動性を増加させ、資金需要が活発化する4月の資金ひっ迫を避ける狙いだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が7.2%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が6.9%高、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が6.7%高と上げが目立った。小米集団に関しては、長城汽車(2333/HK)の工場を借り受け、電気自動車(EV)を生産する計画がある――などと伝えられたことが刺激。ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車は11.9%高と値を上げている。
 セクター別では、医薬品が高い。上記した薬明生物技術のほか、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が5.2%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が4.4%、中国生物製薬(1177/HK)が3.4%、康哲薬業HD(867/HK)が3.3%ずつ上昇した。
 太陽光や風力などエコ発電関連も急伸。新特能源(シンター・エナジー:1799/HK)が14.6%高、保利協キン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が8.3%高、陽光能源HD(757/HK)が8.1%高、福莱特玻璃集団(フラット・グラス・グループ:6865/HK)が7.3%高、新疆金風科技(2208/HK)が7.8%高、龍源電力集団(916/HK)が5.3%高、中国高速伝動設備集団(658/HK)が3.2%高で引けた。
 不動産管理サービスの銘柄群も物色される。世茂服務HD(873/HK)と保利物業発展(6049/HK)がそろって7.1%高、雅居楽雅生活服務(3319/HK)が6.5%高、碧桂園服務HD(6098/HK)が4.9%高、融創服務HD(1516/HK)が4.3%高で取引を終えた。
 業績動向を手がかりにした動きでは、建設機械メーカー中国大手の中国龍工HD(3339/HK)が18.1%高。19%増益を達成した上で、期末配当は前年の0.25香港ドルを上回る0.33香港ドルを予定している。そのほか、鉄鋼大手の馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.6%高。同社の決算は76%増益だった。
 半面、業績が低迷した銘柄群の一角はさえない。通信設備メーカー大手の京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)が3.3%安と続落した(約1年3カ月ぶりの安値水準)。コロナ禍による通信ネットワークの建設遅延などが影響し、通期決算は赤字に転落している。
 一方、本土マーケットは4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.37%高の3409.77ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。医薬品株、発電株、保険・証券株、ハイテク株、運輸株、素材株、インフラ関連株、不動産株なども買われた。半面、大型銀行株は売られている。



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