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2020/10/29 13:23

香港前場:ハンセン0.9%安で3日続落、上海総合は0.1%上昇 無料記事

 29日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比229.96ポイント(0.93%)安の24478.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が77.34ポイント(0.78%)安の9886.02ポイントとそろって3日続落した。半日の売買代金は618億8800万香港ドルとなっている(28日前場は664億1700万香港ドル)。
 欧米の新型コロナウイルス再流行が不安視される流れ。米国では過去1週間の新規感染者数が過去最多を更新し、フランスやドイツでは感染抑制に向けた行動制限が再び強化されている。世界経済の回復が遅れると懸念された。ただ、指数は前引けにかけて下げ幅を縮小。中国の政策に対する期待感が支えとなった。中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)は本日閉幕する予定。米中対立や新型コロナ禍で疲弊した経済を立て直すため、各種の刺激策が打ち出されるとの見方が流れている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、豚肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が4.1%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.6%安、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.6%安と下げが目立っている。中国人寿保険に関しては、1〜9月期決算の18%減益が嫌気された。
 セクター別では、中国の金融が安い。上記した中国人寿保険のほか、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.2%、中国平安保険(2318/HK)が2.0%、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が1.5%、中国銀行(3988/HK)が1.6%、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.1%ずつ下落した。
 通信キャリアや通信設備・工事など5Gネットワーク関連もさえない。中国電信(728/HK)が3.1%安、中国聯通(762/HK)が2.3%安、中国移動(941/HK)が2.0%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が5.7%安、京信通信系統HD(2342/HK)が2.4%安、中国通信服務(552/HK)が1.1%安と値を下げた。通信機器・設備メーカーのZTEについては、1〜9月期決算の34.3%減益が売り材料視されている。7〜9月期ベースでも減益だった。
 半面、業績の持ち直しが見られる銘柄群の一角は物色される。白物家電大手の海信家電集団(ハイセンス・ホーム・アプライアンシズ・グループ:921/HK)が7.4%高。同社の1〜9月期決算は25.7%減益だったものの、7〜9月期ベースでは増益に転換している。エチレンメーカーで中国最大手の中国石化上海石化(サイノペック上海石化:338/HK)は2.1%高。1〜9月期決算は赤字だったが、7〜9月期ベースでは黒字を回復した。
 そのほか、風力発電プラント大手の新疆金風科技(2208/HK)が1〜9月期の30%増益を手がかりに7.2%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が7〜9月期の大幅増益を材料に1.6%高などと値を上げている。
 一方、本土マーケットは小幅ながら3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%高の3271.72ポイントで前場の取引を終えた。消費関連株が高い。自動車株、医薬品株、インフラ関連株なども買われた。半面、金融株は安い。素材株、エネルギー株、公益株、運輸株の一角も売られた。


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