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2021/05/06 13:46

香港前場:ハンセン0.2%高で反発、上海総合は0.2%下落 無料記事

 6日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比48.91ポイント(0.17%)高の28466.89ポイントと反発する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は19.29ポイント(0.18%)安の10702.58ポイントと続落した。半日の売買代金は929億9700万香港ドルに拡大している(5日前場は547億6500万香港ドル)。
 米中の景気期待が追い風。新型コロナウイルス感染拡大がほぼ収束している中国では、メーデー連休中に人の往来が加速し、消費活動も活発化した。米国では今年4月のADP全米雇用リポートで(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想ほどではなかったものの、7カ月ぶりの大幅な伸びを記録。専門家の間では、今後数カ月内にさらに増加する可能性が高いとの声が聞かれている。ただ、上値は重い。経済再開に伴うインフレ圧力の高まりが警戒されたほか、ハイテクや不動産分野を巡る締め付け懸念もくすぶっている。また、対外経済関係の不透明感もマイナス材料。中国国家発展改革委員会は6日、「豪州(オーストラリア)との戦略的経済対話の無期限停止を決定した」と発表した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が5.4%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.0%高、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)とスマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)がそろって2.4%高と上げが目立った。バドワイザーAPACについては、1〜3月期決算の黒字転換が材料視されている。
 セクター別では、スポーツ用品が高い。上記した安踏体育用品のほか、特歩国際HD(Xtep:1368/HK)が7.5%、李寧(リーニン:2331/HK)が5.8%、361度国際(1361/HK)が3.9%ずつ上昇した。安踏と李寧などには、海外ブランドの買収観測が流れている。独スポーツ用品大手のアディダスは、傘下ブランド「Reebok」の売却に向けた入札手続きに着手。香港メディアによれば、安踏と李寧などのほか、複数の同業他社が応札の準備を進めているという。
 石炭・石油セクターもしっかり。中国中煤能源(1898/HK)が4.4%高、エン州煤業(1171/HK)が3.6%高、中国神華能源(1088/HK)が1.7%高、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.9%高、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が1.4%高と値を上げている。石炭相場の先高観が強まる状況。上述したように、中国と豪州の関係悪化により、豪州産石炭の入荷が一段と縮小すると予測された。
 半面、医薬品セクターの一角は急落。康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が20.9%安、上海復星医薬集団(2196/HK)が18.0%安、中国生物製薬(1177/HK)が5.8%安、康哲薬業HD(867/HK)が3.1%安と値を下げた。バイデン米政権は5日、新型コロナウイルスワクチンに関し、「特許権の放棄を支持する」と表明。ワクチン関連各社にとっての逆風とみられた。康希諾生物と中国生物製薬は自社や関連会社を通じコロナワクチンを開発・販売。上海復星医薬は昨年、独ビオンテックのワクチンを中国・香港・マカオで独占販売する権利を得ている。
 中国不動産セクターもさえない。首創置業(2868/HK)が1.9%、龍湖集団HD(960/HK)が1.4%、中国海外発展(688/HK)が1.2%、碧桂園HD(2007/HK)と中国恒大集団(3333/HK)がそろって1.1%ずつ下落した。
 一方、メーデー連休明けの本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.22%安の3439.12ポイントで取引を終了した。医薬品株が安い。食品飲料や自動車などの消費関連株、ハイテク株、不動産株、証券株、保険株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。素材株、公益株、インフラ関連株、海運株、銀行株も買われた。


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