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2021/05/28 13:33

香港前場:ハンセン0.6%高で反発、上海総合ほぼ横ばい 無料記事

 28日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比183.98ポイント(0.63%)高の29297.18ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が19.43ポイント(0.18%)高の10867.78ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は917億700万香港ドルとなっている(27日前場は923億5700万香港ドル)。
 内外の景気改善が改めて意識される流れ。米国では、週間の新規失業保険申請件数が予想以上に前週から減少している。中国では、全国工業企業の利益総額が今年4月に前年同月比で57.0%増加した。新型コロナウイルスのワクチン接種が米国や中国で進む中、経済活動の早期正常化も期待されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)が5.3%高、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)と金融大手グループのHSBC(5/HK)がそろって3.5%高と上げが目立った。長江実業は27日引け後、自社株TOBを同日付で締め切ったと報告。予定枠(3億8000万株)の108.17%に相当する4億1103万株分の応募があったと発表した。このため予定枠の上限で買い付けを実施する。
 セクター別では、海運が高い。東方海外(316/HK)が6.3%、太平洋航運集団(2343/HK)が5.0%、中遠海運HD(1919/HK)が4.8%、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が3.4%ずつ上昇した。上海航運交易所が週ごとにまとめた中国(輸出)コンテナ貨物指数(CCFI)は、今月に入り算出開始以来の高水準を更新している。経済再開を見越し、運賃の先高観も強まる状況だ。
 非鉄セクターも物色される。江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が5.5%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.0%高、江西銅業(358/HK)が4.3%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.7%高と値を上げた。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、アルミや銅など主要商品の先物価格が高く推移している。
 中国銀行セクターもしっかり。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が4.7%高、招商銀行(3968/HK)が2.8%高、中国建設銀行(939/HK)が2.1%高、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が1.4%高で引けた。招商銀株は上場来高値を更新している。
 半面、中国不動産セクターの一角は安い。合景泰富地産HD(1813/HK)が2.6%、雅居楽集団(3383/HK)が2.1%、中国恒大集団(3333/HK)が1.9%、広州富力地産(2777/HK)が1.3%ずつ下落した。
 家電セクターもさえない。海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム:6690/HK)が2.7%安、海信家電集団(921/HK)と創維集団(スカイワース・グループ:751/HK)がそろって1.3%安、TCL電子HD(1070/HK)が1.1%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは小幅ながら5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18ポイント高の3609.03ポイントで前場取引を終了した。非鉄や鉄鋼の素材株が高い。銀行株、証券株、自動車株、半導体株、エネルギー株、海運株なども買われた。半面、医薬品株は安い。食品飲料株、不動産株、空運株、保険株も売られた。


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