2021/01/05 13:38
香港前場:ハンセン0.3%安で5日ぶり反落、上海総合は0.1%下落
5日前場の香港マーケットは値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比83.85ポイント(0.31%)安の27388.96ポイントと5日ぶりに反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が10.88ポイント(0.10%)安の10712.11ポイントと続落した。半日の売買代金は1185億8800万香港ドルとなっている(4日の前場は1002億2300万香港ドル)。
新型コロナウイルス感染再拡大が不安視される流れ。コロナ変異種の感染が広がる英国では、ジョンソン首相が4日、全域で外出制限を厳しくすると表明した。米国では3日時点で入院者数が12万5000人を超え、過去最多を更新している。感染は中国でも再び増えつつある状況だ。経済活動正常化の足かせになると懸念されている。また、ハンセン指数は足もとで約11カ月ぶりの高値水準を回復していただけに、売り圧力も意識された。前日の取引では、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)や舜宇光学科技(2382/HK)、香港交易所(香港証券取引所:388/HK)など主要銘柄に上場来高値更新が相次いでいる。
ただ、指数は前引けにかけてやや下げ渋る展開(本土株指数は一時プラス)。ニューヨーク証券取引所(NYSE)は中国通信大手3社のADR上場廃止を撤回する――との情報が取引時間中に伝えられるなか、投資家心理がやや上向いている。NYSEは先週、人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する大統領令を受け、それらADRの上場廃止手続きを開始すると発表していた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.6%安、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.8%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が2.7%安と下げが目立った。薬明生物技術に関しては、筆頭株主が保有株を一部売却すると公表したことが嫌気されている。
セクター別では、本土系の不動産が安い。上記した中国海外発展のほか、碧桂園HD(2007/HK)が2.7%、世茂房地産HD(813/HK)が1.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.7%ずつ下落した。中国人民銀行と中国銀行保険監督管理委員会が12月31日、不動産向け融資の新たな引き締め策を公表したことが引き続き売り材料視されている。
本土系の保険セクターもさえない。新華人寿保険(1336/HK)が4.0%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.8%安、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が1.9%安、中国人寿保険(2628/HK)が1.8%安、中国平安保険(2318/HK)が1.7%安で前場取引を終えた。
半面、通信キャリア株は急伸。中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が6.7%高、中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)が5.7%高、中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が5.5%高と値を上げた。
食品飲料など消費関連セクターの一角も物色される。中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.1%高、中国旺旺HD(151/HK)が3.9%高、中国雨潤食品集団(1068/HK)と農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)がそろって3.1%高で引けた。ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉は連日で最高値を更新(前引けは62.50香港ドル)。非流通株を含む時価総額は7029億香港ドル(約9兆3415億円)に膨らんでいる。現地メディアによれば、創業者で筆頭株主の鍾センセン氏は、世界富豪ランキングで6位に躍り出た。
他の個別株動向では、物流の円通速逓国際(6123/HK)が30.3%高と急騰。同社は4日、2020年12月期(通期)純利益が600%以上増加すると予告した。
一方、本土マーケットは4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.05%安の3501.20ポイントで前場の取引を終了した。金融株が下げを主導する。不動産株、自動車株、素材株、エネルギー株、公益株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。ハイテク株、医薬品株も買われた。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
新型コロナウイルス感染再拡大が不安視される流れ。コロナ変異種の感染が広がる英国では、ジョンソン首相が4日、全域で外出制限を厳しくすると表明した。米国では3日時点で入院者数が12万5000人を超え、過去最多を更新している。感染は中国でも再び増えつつある状況だ。経済活動正常化の足かせになると懸念されている。また、ハンセン指数は足もとで約11カ月ぶりの高値水準を回復していただけに、売り圧力も意識された。前日の取引では、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)や舜宇光学科技(2382/HK)、香港交易所(香港証券取引所:388/HK)など主要銘柄に上場来高値更新が相次いでいる。
ただ、指数は前引けにかけてやや下げ渋る展開(本土株指数は一時プラス)。ニューヨーク証券取引所(NYSE)は中国通信大手3社のADR上場廃止を撤回する――との情報が取引時間中に伝えられるなか、投資家心理がやや上向いている。NYSEは先週、人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する大統領令を受け、それらADRの上場廃止手続きを開始すると発表していた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.6%安、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.8%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が2.7%安と下げが目立った。薬明生物技術に関しては、筆頭株主が保有株を一部売却すると公表したことが嫌気されている。
セクター別では、本土系の不動産が安い。上記した中国海外発展のほか、碧桂園HD(2007/HK)が2.7%、世茂房地産HD(813/HK)が1.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.7%ずつ下落した。中国人民銀行と中国銀行保険監督管理委員会が12月31日、不動産向け融資の新たな引き締め策を公表したことが引き続き売り材料視されている。
本土系の保険セクターもさえない。新華人寿保険(1336/HK)が4.0%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.8%安、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が1.9%安、中国人寿保険(2628/HK)が1.8%安、中国平安保険(2318/HK)が1.7%安で前場取引を終えた。
半面、通信キャリア株は急伸。中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が6.7%高、中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)が5.7%高、中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が5.5%高と値を上げた。
食品飲料など消費関連セクターの一角も物色される。中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.1%高、中国旺旺HD(151/HK)が3.9%高、中国雨潤食品集団(1068/HK)と農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)がそろって3.1%高で引けた。ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉は連日で最高値を更新(前引けは62.50香港ドル)。非流通株を含む時価総額は7029億香港ドル(約9兆3415億円)に膨らんでいる。現地メディアによれば、創業者で筆頭株主の鍾センセン氏は、世界富豪ランキングで6位に躍り出た。
他の個別株動向では、物流の円通速逓国際(6123/HK)が30.3%高と急騰。同社は4日、2020年12月期(通期)純利益が600%以上増加すると予告した。
一方、本土マーケットは4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.05%安の3501.20ポイントで前場の取引を終了した。金融株が下げを主導する。不動産株、自動車株、素材株、エネルギー株、公益株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。ハイテク株、医薬品株も買われた。
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