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2020/10/30 13:34

香港前場:ハンセン0.03%安で4日続落、上海総合は0.1%下落 無料記事

 30日前場の香港マーケットは小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比6.38ポイント(0.03%)安の24580.22ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が16.08ポイント(0.16%)安の9939.38ポイントとそろって4日続落した。半日の売買代金は663億2200万香港ドルとなっている(29日前場は618億8800万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスが続く。新型コロナウイルス感染再流行の不安が一段と強まる状況だ。世界の新規感染は29日に50万人を初突破し、1日当たり感染者数としては過去最多を更新。ドイツやフランス、イタリア、スペインなど欧州各国や米国の一部州では、行動規制が再び強化されている。世界経済の回復遅れが中国にも飛び火すると危惧された。また、米大統領選を来週に控え、選挙情勢が混とんとしていることも様子見ムードを強めさせている。
 ただ、中国の政策に対する期待感で下値は限定的。中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が昨日閉幕した。第14次5カ年計画(2021〜25年)の基本指針として、特に消費を柱とする内需を成長の重点とし、先端技術の内製化を進める方針などが明示された。指数は徐々に下げ幅を縮小している(一時プラス圏)。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)と乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)がそろって3.6%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.8%安と下げが目立った。
 セクター別では、医薬品が安い。上記した石薬集団のほか、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が3.6%、百済神州(6160/HK)が4.0%、三生製薬(1530/HK)が1.8%、中国生物製薬(1177/HK)が1.3%ずつ下落した。
 中国銀行セクターの一角もさえない。1〜9月期決算が減益を強いられ、不良債権比率も悪化した中信銀行(CITICバンク:998/HK)と中国建設銀行(939/HK)がそれぞれ1.9%安、1.1%安で取引を終えた。
 半面、ハイテクやITなど「ニューエコノミー」関連の一角は物色される。ハンセン科技指数は1.2%高と4日続伸した。組み入れ銘柄では、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.7%高、華虹半導体(1347/HK)が7.4%高、衆安在線財産保険(6060/HK)が6.6%高、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が5.3%高などと値を上げている。スマートフォン中国大手の小米集団に関しては、世界販売のシェア拡大が刺激材料。米調査会社の最新データによれば、小米集団は米アップルを上回り3位に浮上した。
 中国の自動車セクターも総じて高い。広州汽車集団(2238/HK)が5.0%、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.3%、東風汽車集団(489/HK)が1.5%、吉利汽車HD(175/HK)が1.4%ずつ上昇した。BYDが公表した1〜9月期決算は117%増益。通期業績も利益拡大を見込んでいる。広州汽車集団の1〜9月期決算は21%減益だったが、7〜9月期ベースでは89.5%増益に転換した。
 中国の不動産セクターもしっかり。中国恒大集団(3333/HK)が6.1%高、合景泰富地産HD(KWGプロパティーホールディング:1813/HK)が4.2%高、万科企業(2202/HK)が2.7%高、融創中国HD(1918/HK)が1.9%高で引けた。万科企業の1〜9月期決算は8.9%増益と堅調。7〜9月期ベースでも増収増益だった。
 一方、本土マーケットは4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%安の3269.45ポイントで前場の取引を終えた。医薬品株が安い。食品飲料株、保険株、素材株、空運株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。自動車株、インフラ関連株、公益株、エネルギー株、銀行株も買われた。



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