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2020/12/02 13:30

香港前場:ハンセン0.1%安で反落、上海総合は0.1%上昇 無料記事

 2日前場の香港マーケットは小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比18.90ポイント(0.07%)安の26548.78ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が67.90ポイント(0.64%)安の10591.74ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は826億4400万香港ドルとなっている(1日前場は874億7000万香港ドル)。
 増資計画が相次ぐ中、マーケットの需給悪化が警戒される流れ。充電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)は1日引け後、中国証券監督管理委員会に対し、H株増資の実施を申請したと報告した。発行規模は最大で、直近で開かれた株主総会(6月23日)時点の発行済みH株総数の20%。12月1日終値で算出したH株時価総額は1716億5400万香港ドル(約2兆3100億円)に上る。そのほか、中堅デベロッパーの龍湖集団HD(ロンフォー・グループ・ホールディングス:960/HK)は2日、第三者割当増資を実施すると発表した。また、複数の香港メディアが2日伝えたところによると、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が大規模増資の実施を計画しているもよう。同社株は本日、取引を一時停止した。
 もっとも、大きく売り込む動きはみられない。昨夜の米株高が好感されたほか、中国で官民の11月製造業PMIが予想を上回ったことが引き続き支援材料となっている。香港の各指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.1%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.6%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が2.5%安と下げが目立った。
 セクター別では、自動車が安い。上記した吉利汽車のほか、増資発表のBYDが8.4%、長城汽車(2333/HK)が3.7%、広州汽車集団(2238/HK)が2.4%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が1.9%ずつ下落した。
 中国不動産セクターの一角もさえない。上述した龍湖集団が11.2%安と急落し、深センHD(深セン・インベストメント:604/HK)が2.2%安、世茂集団HD(シーマオ・グループ・ホールディングス:813/HK)が2.1%安、中国恒大集団(3333/HK)が1.7%安と値を下げた。
 半面、石炭セクターは物色される。中国中煤能源(1898/HK)が2.7%高、エン州煤業(1171/HK)が1.4%高、中国神華能源(1088/HK)が1.1%高で前場取引を終えた。石炭相場の先高観が強まっている。暖房期による需要増が見込まれたほか、輸入石炭の供給減が背景だ。中国と豪州で貿易対立が激化し、中国側は10月以降、豪州産石炭の荷揚げ禁止措置を非公式で続けている。
 半導体セクターもしっかり。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.5%高、華虹半導体(1347/HK)が2.6%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.3%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が0.9%高で引けた。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.09%高の3454.96 ポイントで前場の取引を終えた。不動産株が高い。エネルギー株、産金株、非鉄株、ハイテク株、海運株、証券株、インフラ関連株なども買われた。半面、消費関連株は安い。自動車株、医薬品株、銀行・保険株も売られた。


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