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2021/03/08 17:51

香港大引:ハンセン1.9%安で3日続落、科技指数は6.4%下落 無料記事

 週明け8日の香港マーケットは値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比557.46ポイント(1.92%)安の28540.83ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が277.43ポイント(2.46%)安の11014.79ポイントとそろって3日続落した。ITやハイテクなど「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は6.40%安。年初来安値を更新した。売買代金は2291億600万香港ドルとなっている(5日は2404億3600万香港ドル)。
 金利高が不安視される流れ。経済活動の正常化を背景に、米10年債利回りは高止まりする状況だ。中国で昼前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)に関しては、翌日物などが再び上昇している。米雇用統計や中国貿易統計の上振れ手がかりに買いが先行したものの、高PERのグロース株(成長株)売りに歯止めがかからず、香港の各指数は中盤から下げに転じた。ナスダック100指数(ナスダック上場の主要な非金融銘柄で構成)の先物が反落で推移する中、引けにかけて下落幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が9.7%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が9.5%安、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が8.6%安と下げが目立った。
 ハンセン科技指数の構成銘柄は全面安。組み入れウエート上位の銘柄では、上記した小米集団のほか、美団(メイトゥアン:3690/HK)が8.4%安、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が6.7%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が5.4%安で取引を終えている。今年2月に上場したショート動画投稿アプリ運営の快手科技は、上場来安値を切り下げた。
 セクター別では、海上輸送やコンテナリース・生産、空運の運輸関連が安い。中遠海運HD(1919/HK)が14.5%、東方海外(316/HK)が5.8%、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が7.2%、中遠海運発展(2866/HK)が6.4%、中国南方航空(1055/HK)が5.3%、中国国際航空(753/HK)が3.1%ずつ下落した。
 半面、石油や天然ガスのエネルギー関連は高い。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.1%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.0%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.4%、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が2.6%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が1.6%ずつ上昇した。原油高が追い風。先週末のWTI原油先物は3.5%高と大幅続伸し、一時は約2年ぶりの高値を付けた。日本時間8日、時間外取引でも続伸している。サウジアラビアは7日、自国の石油施設が攻撃されたと発表した。
 中国金融セクターの一角もしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が4.2%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.7%高、中国建設銀行(939/HK)が1.1%高、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が4.9%高、中国平安保険(2318/HK)が1.3%高と値を上げた。最大手行の工商銀は、昨年1月以来の高値水準を回復している。
 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.30%安の3421.41ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。医薬品株、運輸株、ハイテク株、防衛関連株、インフラ関連株、不動産株、金融株なども売られた。半面、石油株は高い。発電株も買われた。




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