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2020/12/23 13:40

香港前場:ハンセン0.4%高で4日ぶり反発、上海総合は0.9%上昇 無料記事

 23日前場の香港マーケットは値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比116.02ポイント(0.44%)高の26235.27ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が73.81ポイント(0.71%)高の10457.99ポイントとそろって4日ぶりに反発した。半日の売買代金は617億7800万香港ドルとなっている(22日前場は602億6900万香港ドル)。
 自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数は前日まで3日続落し、足元では約1カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいた。経済支援策にも期待感。来年から始まる中国の第14次5カ年計画(2021〜25年)を見据え、政策の恩恵を受けやすい銘柄群が物色されている。新5カ年計画では、内需の拡大が主要なテーマのひとつ。また、商務部の高峰・報道官は今月10日、消費の回復を促すため、年末から年始にかけて一連の消費促進活動を展開すると述べた。ただ、上値は限定的。欧州や米国などで新型コロナウイルス感染が再流行し、行動規制が強化されていることが引き続き不安材料となっている。ハンセン指数は朝方、マイナス圏で推移した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.9%高、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.4%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.6%高と上げが目立った。小米と蒙牛は上場来高値を更新している。
 セクター別では、自動車が高い。上記した吉利汽車のほか、長城汽車(2333/HK)が8.7%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.1%、東風汽車集団(489/HK)が1.8%、広州汽車集団(2238/HK)が1.4%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が1.3%ずつ上昇した。長城汽車は最高値を切り上げている。
 食品飲料や酒造、スポーツ用品など消費セクターの一角もしっかり。前記した蒙牛のほか、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が1.2%高、青島ビール(168/HK)が4.2%高、李寧(2331/HK)が2.9%高、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が2.6%高で引けている。青島ビール、李寧、安踏は上場来高値をそれぞれ更新した。
 太陽光や風力などエコ発電関連の銘柄群も物色される。保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が9.9%高、陽光能源HD(757/HK)が5.1%高、龍源電力集団(916/HK)が7.3%高で前場取引を終えた。発電設備の上海電気集団(2727/HK)と東方電気(1072/HK)もそれぞれ4.1%高、2.7%高と値を上げている。習近平・国家主席は先ごろ、60年までにCO2の排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するとの目標を掲揚した。
 他の個別株動向では、天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が10.9%高と急伸。同社は22日引け後、国家石油天然気管網集団(国家管網)に対し、パイプライン資産を売却すると発表した。売却収入のうち50%を株主還元に充てる方針で、特別配当を予定しているという。
 半面、中国の銀行セクターはさえない。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.9%安、中国建設銀行(939/HK)が1.4%安、交通銀行(3328/HK)が1.2%安、中国工商銀行(1398/HK)が0.9%安、中国銀行(3988/HK)が0.8%安、中国農業銀行(1288/HK)が0.7%安と下落している。中国人民銀行(中央銀行)は来年、銀行融資の伸びを前年比で徐々に縮小させる方針――などと関係者の話として報じられた。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.85%高の3385.35ポイントで前場の取引を終えた。食品飲料株が高い。小売株や家電株、自動車株、海運株、エネルギー株、非鉄株、インフラ関連株、防衛関連株、ハイテク株なども買われた。半面、銀行株は安い。不動産株、医薬品株も売られた。


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