/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2021/05/10 13:39

香港前場:ハンセン0.3%安で続落、上海総合0.1%上昇 無料記事

 週明け10日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比93.17ポイント(0.33%)安の28517.48ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が62.51ポイント(0.58%)安の10636.49ポイントとそろって続落した。半日の売買代金は883億4600万香港ドルとなっている(7日前場は748億9600万香港ドル)。
 指標発表が気がかり材料として意識される流れ。あす11日には今年4月の中国物価統計が公表される。最新のコンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は前月から上昇率がそろって加速する見込みだ。このところインフレ高進、金利上昇の警戒感がくすぶっているだけに、内容を見極めたいとするスタンスが強まっている。先週末の米株高や、非鉄や原油の市況高を手がかりに買い先行したものの、上値は重く、指数は中盤からマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が8.1%安、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が4.0%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が3.0%安、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.9%安と下げが目立った。
 セクター別では、「巣ごもり消費」関連銘柄の一角が安い。上記した美団やアリババのほか、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)が3.3%、電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が2.7%、ライブ動画アプリの映客互娯(インカー:3700/HK)が2.4%、ショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が2.2%ずつ下落した。
 中国不動産セクターの一角もさえない。合景泰富地産HD(1813/HK)が4.2%安、中国恒大集団(3333/HK)が2.0%安、万科企業(2202/HK)が1.7%安、融創中国HD(1918/HK)が1.5%安、龍湖集団HD(960/HK)が1.2%安で引けた。
 半面、石油や石炭のどエネルギー関連セクターは物色される。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.3%高、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.1%高、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.7%高、エン州煤業(1171/HK)が6.0%高、中国神華能源(1088/HK)が5.6%高、中国中煤能源(1898/HK)が5.3%高で前場取引を終えた。
 非鉄や鉄鋼の素材セクターも高い。江西銅業(358/HK)が9.1%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が8.6%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.1%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.6%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が10.0%、中国東方集団HD(581/HK)が8.7%、鞍鋼(347/HK)が4.5%ずつ上昇した。先週末のロンドン金属取引所(LME)では、銅先物が史上最高値を更新し、アルミ先物も高値圏で推移。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)でも、非鉄や鉄筋などの先物価格が軒並み上昇している。
 他の個別株動向では、上海復星医薬集団(2196/HK)が17.8%高。同社は9日、子会社の復星医薬産業と独ビオンテックが新型コロナウイルスワクチンの生産・商業化を担う合弁会社を設立すると発表した。
 一方、本土マーケットは4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.06%安の3420.90ポイントで取引を終了した。石油・石炭株が高い。非鉄や鉄鋼の素材株、医薬品株、発電株、海運株、自動車株なども買われた。半面、金融株は安い。不動産株、ハイテク株、食品飲料株の一角も売られた。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース