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2021/01/27 13:26

香港前場:ハンセン0.2%高で反発、上海総合は0.03%下落 無料記事

 27日前場の香港マーケットは値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比62.76ポイント(0.21%)高の29454.02ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が28.71ポイント(0.25%)高の11724.14ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は1565億3400万香港ドルとなっている(26日の前場は1539億1300万香港ドル)。
 自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数は昨日、2.6%安と急反落していた。指標改善もプラス。前日に公表された昨年12月の香港貿易統計では、輸出と輸入が11月から予想を超えて拡大した(輸出は18年10月以来、輸入は18年8月以来の水準を回復)。国家統計局が朝方公表した昨年12月の全国工業企業利益は前年同期比20.1%増となり、11月の15.5%増から大幅に上向いている。
 中国の過度な金融引き締めに対する警戒感もやや後退。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は26日、世界経済フォーラム(WEF)のパネル討論会で、「人民銀行が金融政策による支援措置を早期に解除することはない」と言明した。また、総裁は、中国本土のGDP成長率は今年、「通常の範囲に戻る」とも述べている。人民銀は朝方、前日に続きレポ取引を通じ市場から資金を吸収したものの、これを嫌気する売りは限定された。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が4.6%高、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が3.6%高、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が3.4%高、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.3%高と上げが目立った。中国移動は26日引け後、昨年発表した中国広播電視網絡有限公司(中国広電)との第5世代(5G)移動通信インフラ共有計画について、正式に契約を結んだことを明らかにしている。
 セクター別では、中国の銀行が高い。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が3.0%、招商銀行(3968/HK)が2.0%、中国工商銀行(1398/HK)が1.8%、中国銀行(3988/HK)が1.1%ずつ上昇した(中国郵政儲蓄銀行は最高値更新)。金利高メリットが着目される。人民元建ての上海銀行間取引金利(SHIBOR)は27日、翌日物が前日に続き急伸し、2019年4月以来、約1年9カ月ぶりの高水準に達した。
 半面、非鉄やレアアースの銘柄群は安い。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が7.3%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.2%、金川集団国際資源(2362/HK)が4.0%、五鉱資源(1208/HK)が3.7%、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.5%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.2%、江西銅業(358/HK)が3.0%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.8%ずつ下落した。
 海上輸送やコンテナリース・生産など海運関連もさえない。東方海外(316/HK)が6.1%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.4%安、中遠海運HD(1919/HK)が2.9%安、中遠海運発展(2866/HK)が4.4%安、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が1.4%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは小幅続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03%安の3568.40ポイントで前場の取引を終了した。食品飲料株が安い。自動車株、医薬品株、素材株、不動産株、防衛関連株なども売られた。半面、金融株は高い。空運株、インフラ関連株、公益株、エネルギー株、半導体株も買われた。



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