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2021/04/09 13:29

香港前場:ハンセン0.7%安で反落、上海総合も0.47%下落 無料記事

 9日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比210.00ポイント(0.72%)安の28798.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が112.24ポイント(1.01%)安の10997.24ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は768億8000万香港ドルに縮小している(8日前場は2037億9200万香港ドル)。
 米中対立の激化が警戒される流れ。米商務省は8日、中国軍に関連しているとして、中国のスーパーコンピューター開発を手がける計7法人・団体に対し、禁輸措置を発動したと発表している。また米議会上院は同日、対中制裁の新法案をとりまとめた。新疆ウイグル自治区の人権、香港の自治、インド太平洋地域の覇権などを巡り、米中は依然として非難を応酬している。
 中国の引き締めスタンスも懸念。住宅都市農村建設部のゲイ虹・副部長は8日、複数の地方政府責任者を招集し、住宅価格の安定化に努めるよう指導した。中国政府は不動産政策について、「住宅は住むためのもので、投機の対象ではない」との基本方針を堅持している。朝方公表された3月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.4%上昇、生産者物価指数(PPI)が4.4%上昇という結果。それぞれ予想を上回った。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が4.6%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が3.9%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)と飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)がそろって2.2%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が安い。雅居楽集団(3383/HK)が2.1%、融創中国HD(1918/HK)が2.0%、世茂集団HD(813/HK)が1.9%、碧桂園HD(2007/HK)が1.5%、龍湖集団HD(960/HK)が1.4%ずつ下落した。
 医薬品セクターもさえない。上記した薬明生物技術のほか、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が3.8%安、康哲薬業HD(867/HK)が2.3%安、山東新華製薬(719/HK)が2.0%安、石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が1.8%安で引けた。
 半面、鉄鋼セクターは続伸で逆行高。重慶鋼鉄(1053/HK)が27.0%高、鞍鋼(347/HK)が6.6%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.3%高で取引を終えた。一部企業が好業績予告を発表し、セクター全体のセンチメントが改善する。中堅鉄鋼メーカーの重慶鋼鉄は8日引け後、2021年第1四半期(1〜3月)の純利益が前年同期比で約260倍に拡大するとの見通しを示した。このほか、非鉄の一角もしっかり。利益見通し約31倍を手がかりに、中国アルミ(2600/HK)が5.6%上昇した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.74%安の3456.74ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。ハイテク株、医薬品株、不動産株、金融株、素材株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。海運株、公益株も買われた。


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