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2020/10/28 13:33

香港前場:ハンセン0.2%安で続落、上海総合は0.2%上昇 無料記事

 28日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比59.99ポイント(0.24%)安の24727.20ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が34.69ポイント(0.35%)安の9968.41ポイントとそろって続落した。半日の売買代金は664億1700万香港ドルとなっている(27日前場は754億4800万香港ドル)。
 欧米の新型コロナ感染再拡大を懸念した売りが先行する流れ。米メディアは27日、米国中西部で新規感染数や入院数が過去最多を更新したと報道した。フランスやドイツが感染急拡大に対処するため、ロックダウン(都市閉鎖)など制限措置の導入を検討している――とも伝わっている。世界景気の先行き不安が強まる状況だ。ただ、下値は限定的。主要企業の決算発表が本格化する中、多くの企業で足元の業績改善が目立っていることを材料視している。また、中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開催中とあって(26〜29日)、政策に対する期待感も根強い。香港の各指数は前引けにかけ、下げ幅を縮小している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が5.3%安、金融大手グループのHSBC(5/HK)が2.8%安、域内大手行の中銀香港(2388/HK)が2.7%安と下げが目立った。
 セクター別では、空運が安い。中国南方航空(1055/HK)が3.7%、中国国際航空(753/HK)が3.2%、中国東方航空(670/HK)が3.0%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が2.1%ずつ下落した。
 本土系不動産セクターもさえない。雅居楽集団HD(3383/HK)と龍湖集団HD(960/HK)がそろって2.2%安、融創中国HD(1918/HK)が1.8%安、万科企業(2202/HK)が1.7%安、華潤置地(1109/HK)が1.1%安で引けた。
 半面、ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連はしっかり。ハンセン科技指数は1.0%高と続伸した。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.9%高、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.1%高、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が4.0%高、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が1.9%高で取引を終えている。アリババとテンセント、美団点評は上場来高値をそろって更新した。アリババについては、傘下企業の新規株式公開(IPO)人気化が手がかり。マ蟻科技集団(アント・グループ:6688/HK、688688/SH)のIPOでは、マージンローン(IPOに応募する投資家向けの融資)を利用した応募額が香港で公募開始初日の27日に2173億香港ドル(約2兆9300億円)に膨らんだ。
 食品飲料やスポーツ用品など消費セクターも物色される。万洲国際(WHグループ:288/HK)が10.3%高、中国雨潤食品集団(1068/HK)が4.2%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が0.8%高、李寧(リーニン:2331/HK)と安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)がそろって2.5%高と上昇した。豚肉生産で世界トップの万洲国際に関しては、業績の改善基調が好感されている。同社の1〜9月期決算は13%減益だったものの、減益率は中間期の44%から縮小した。
 このほか、コンテナ生産で中国最大手の中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が8.4%高。同社の1〜9月期決算は10%増益を確保し、第3四半期ベースで前年の赤字から黒字に転換した。発電大手の華能国際電力(902/HK)は2.4%高。1〜9月期決算は69.3%増益を達成した。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%高の3259.60ポイントで前場の取引を終えた。消費関連株が高い。自動車株、素材株、ハイテク株、海運株、医薬品株の一角なども買われた。半面、銀行・保険株は安い。不動産株、空運株、エネルギー株も買われた。



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