5日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比2.66ポイント（0.01％）高の28559.80ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が18.43ポイント（0.17％）高の10784.15ポイントと小幅ながらそろって続伸した。半日の売買代金は547億6500万香港ドルと低水準が続いている（4日前場は480億1100万香港ドル）。
　経済回復の期待感が強まる流れ。メーデー連休中（1日〜5日）の中国本土では、新型コロナウイルス感染拡大がほぼ収束する中、多くの人が移動し、消費活動も活発化している。中国の各省が相次いで報告した第1四半期（1〜3月）の域内総生産（GDP）に関しては、湖北省が58％増に拡大するなど軒並み改善した。また米国では、バイデン米大統領が4日、7月4日の独立記念日までに、成人の70％が新型コロナウイルスワクチンを最低1回接種するとの目標を新たに発表。行動規制の緩和に伴い、景気も早期に持ち直すと見込まれた。
　ただ、全体として上値は重い。米国で金利上昇の警戒感が高まっていることを不安視したほか、連休明けの本土株動向が気がかり材料として意識された。本土株マーケットはあす6日に取引再開する。ハンセン指数は前日の終値を挟み、一進一退した。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、香港大手行の恒生銀行（ハンセン銀行：11/HK）が3.3％高、国内銀行5位の交通銀行（3328/HK）が3.1％高、中国政府系インベストメント会社の中国中信（CITICリミテッド：267/HK）が3.0％高と上げが目立った。
　セクター別では、中国の銀行が高い。上記した交通銀行のほか、中国郵政儲蓄銀行（1658/HK）と招商銀行（3968/HK）がそろって3.1％、中国建設銀行（939/HK）が2.2％、中国農業銀行（1288/HK）が2.0％、中国工商銀行（1398/HK）が1.6％ずつ上昇した。
　石油生産や掘削、天然ガス、石炭などエネルギー関連セクターもしっかり。中国海洋石油（CNOOC：883/HK）が2.7％、中国石油天然気（ペトロチャイナ:857/HK）が1.7％、中海油田服務（2883/HK）が3.0％、新奥能源HD（ENNエナジー：2688/HK）と中国神華能源（1088/HK）がそろって1.5％ずつ上昇した。新奥能源は上場来高値を更新している。
　半面、マカオ・カジノセクターは安い。金沙中国（サンズ・チャイナ：1928/HK）が2.6％、美高梅中国HD（MGMチャイナ・ホールディングス：2282/HK）が1.8％、銀河娯楽集団（ギャラクシー・エンターテインメント：27/HK）と澳門博彩HD（SJMホールディングス：880/HK）がそろって1.7％、永利澳門（ウィン・マカオ：1128/HK）が1.2％ずつ下落した。SJMが公表した今年1〜3月期決算は赤字幅拡大。業績回復に時間がかかると不安視された。
　「ニューエコノミー」関連銘柄も総じてさえない。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は1.5％安と反落した。主要な組み入れ銘柄では、中国インターネット検索最大手の百度集団（バイドゥ：9888/HK）が3.6％安、電子商取引（Eコマース）中国最大手の阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）が1.8％安、インターネットサービス中国大手の騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）が1.4％安と値を下げている。



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