11日前場の香港マーケットは、主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比463.71ポイント（1.60％）高の29371.23ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）も277.87ポイント（2.51％）高の11337.54ポイントと続伸した。半日の売買代金は1093億4000万香港ドルとなっている（10日の前場は1134億300万香港ドル）。
　経済政策の期待が内外で強まる流れ。新型コロナウイルス流行を受けた1兆9000億米ドル規模の米追加経済対策法は、今週12日にも正式成立する見込みだ。中国では、全国人民代表大会（全人代）が本日閉会。李克強首相はその後に記者会見を行う予定だ。中国の経済指標上振れもプラス。昨日引け後に報告された今年2月の金融統計では、人民元建て新規融資とマネーサプライM2が市場予想を上回った。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、民営製薬会社の石薬集団（1093/HK）が9.1％高、飲食ポータルサイトの美団（メイトゥアン：3690/HK）が8.3％高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業（2319/HK）が5.6％高と上げが目立った。
　セクター別では、太陽光や風力などエコ発電関連が高い。新特能源（シンター・エナジー：1799/HK）が11.5％、信義光能HD（968/HK）が9.2％、保利協キン能源HD（GCLポリー・エナジー：3800/HK）が7.5％、陽光能源HD（757/HK）が7.3％、福莱特玻璃集団（フラット・グラス・グループ：6865/HK）が5.7％、中国水発興業能源集団（旧社名・中国興業太陽能技術HD：750/HK）が5.0％、龍源電力集団（916/HK）が7.5％、新疆金風科技（2208/HK）が5.6％、中国高速伝動設備集団（658/HK）が3.5％ずつ上昇した。中国政府は2060年までに、二酸化炭素（CO2）排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現する――との国策を掲げている。
　レアアース・非鉄セクターも急伸。五鉱資源（1208/HK）が8.5％高、新疆新キン鉱業（3833/HK）が7.5％高、中国アルミ（チャルコ：2600/HK）が6.7％高、中国稀土HD（チャイナ・レア・アース：769/HK）が6.6％高、江西カン鋒リ業（ガンフェン・リチウム：1772/HK）が5.6％高、洛陽モリブデン集団（3993/HK）と金川集団国際資源（2362/HK）がそろって5.5％高、江西銅業（358/HK）が4.5％高で引けた。この日の上海期貨交易所（上海商品先物取引所）では、銅やアルミなど主要な商品先物が全面高で推移している。
　空運関連セクターもしっかり。中国3大エアラインの中国南方航空（1055/HK）が7.9％高、中国国際航空（753/HK）が4.4％高、中国東方航空（670/HK）が3.7％高、香港フラッグキャリアの国泰航空（キャセイ航空：293/HK）が5.4％高、旅行予約サイト運営の同程芸龍HD（トンチェン・イーロン・ホールディングス：780/HK）が4.1％高、航空情報システム大手の中国民航信息網絡（トラベルスカイ・テクノロジー：696/HK）が3.9％高で前場取引を終えた。
　海上輸送やコンテナリース・生産、港湾の海運関連も物色される。中遠海運HD（1919/HK）が10.7％高、太平洋航運集団（2343/HK）が3.9％高、中国国際海運集装箱（中国国際コンテナ：2039/HK）が6.4％高、中遠海運発展（2866/HK）が4.2％高、天津港発展HD（3382/HK）が4.8％高、中遠海運港口（1199/HK）が2.8％高と値を上げた。天津ふ頭を運営する天津港発展に関しては、2020年通期決算の55％増益見通しが好感されている。
　一方、本土マーケットは6日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.78％高の3417.63ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。素材株、金融株、環境関連株、医薬品株、ハイテク株、インフラ関連株、運輸株、不動産株など幅広く買われた。



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