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2021/05/14 13:48

香港前場:ハンセン1.0%高で反発、上海総合は1.2%上昇 無料記事

 14日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比262.84ポイント(0.95%)高の27981.51ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が42.10ポイント(0.41%)高の10382.09ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は818億6000万香港ドルとなっている(13日前場は988億900万香港ドル)。
 米株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米株市場では、労働指標の改善と長期金利の上昇一服で主要指標がそろって反発した。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給もプラス。リバースレポ取引を通じ、人民銀は100億人民元を市中に朝方供給した。今週は合計500人民元を資金供給し、満期到来分での差引は300億人民元の供給超。中国指標の発表を控え、朝方は弱含む場面もみられたが、指数は中盤から上げ幅を広げている。中国では週明け17日、今年4月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が発表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が8.0%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が6.3%高、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が3.4%高と上げが目立った。AIAは14日、2021年第1四半期(1〜3月)の新契約価値が前年同期比25%増の10億5200万米ドル(約1150億円)に拡大したと発表。新型コロナウイルス流行前の水準を回復している。
 セクター別では、中国の金融が高い。中信銀行(CITICバンク:998/HK)が2.2%、招商銀行(3968/HK)が2.0%、中国農業銀行(1288/HK)が1.7%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.7%、新華人寿保険(1336/HK)が2.9%、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.8%、国聯証券(1456/HK)が6.5%、中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が4.2%、中信証券(6030/HK)が3.4%ずつ上昇した。
 医薬品セクターもしっかり。上記した石薬集団のほか、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が7.6%高、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.6%高、四環医薬HD集団(460/HK)が4.4%高、中国生物製薬(1177/HK)が2.2%高で取引を終えた。
 半面、「ニューエコノミー」関連銘柄は総じてさえない。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は0.7%安と続落した。昨年11月以来の安値水準に落ち込んでいる。主要な組み入れ銘柄では、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が4.0%安、中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)と飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)がそろって2.8%安、ショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が1.2%安と値を下げた。プラットフォーム企業の締め付け懸念がくすぶっているほか、アリババについては、四半期決算の赤字計上も売り材料視されている。アリババが昨日引け後に報告した1〜3月期決算は、売上高が前年同月比で64%増加したものの、「独占禁止法」違反の巨額罰金が響き、純損益は赤字に転落。四半期ベースでの赤字は上場以来で初めてとなる(14年にニューヨーク上場、19年に香港上場)。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.21%高の3471.17ポイントで取引を終了した。医薬品株が高い。金融株、消費関連株、不動産株、ハイテク株、空運株、防衛関連株、公益株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。非鉄・鉄鋼株、海運株も売られた。


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