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2021/04/22 13:27

香港前場:ハンセン0.5%高で反発、上海総合は0.1%下落 無料記事

 22日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比132.90ポイント(0.46%)高の28754.82ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が41.94ポイント(0.39%)高の10930.46ポイントと3日ぶりに反発した。半日の売買代金は920億4900万香港ドルとなっている(21日前場は917億6100万香港ドル)。
 内外の景気期待が支えとなる流れ。米国では新型コロナウイルスワクチンの接種ペースが加速し、経済活動の正常化が早まると期待されている。中国でも同様に、ワクチン接種が本格化する状況だ。また、香港メディアは22日、「香港食物衛生局の陳肇始・局長は、中国広東省との間で通関の再開を検討している」と報道。域内経済の回復も見込まれた。ただ、上値は重い。主要な中国企業の決算報告が本格化する中、内容を見極めたいとするスタンスも漂っている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.2%高、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が3.0%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が2.6%高と上げが目立っている。安踏株は昨日、「筆頭株主が保有株の一部を売却する」と伝わり、7.7%安と急落していた。
 セクター別では、海運が高い。太平洋航運集団(2343/HK)が10.9%、中遠海運HD(1919/HK)が8.9%、東方海外(オリエント・オーバーシーズ:316/HK)が8.4%ずつ値を上げた。海運市況高が追い風。なかでも、国際的な海上運賃の指標となるバルチック海運指数(BDI)は今月に入り上昇基調を強め、足元で昨年2019年9月以来の高水準を切り上げている。
 鉄鋼・非鉄セクターも急伸。中国東方集団HD(581/HK)が12.4%高、重慶鋼鉄(1053/HK)が8.5%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.6%高、鞍鋼(347/HK)が6.0%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が9.6%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.4%高、江西銅業(358/HK)が4.2%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.9%高で引けた。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、銅やアルミ、鉄筋など主要な産品の先物価格が軒並み上昇している。「カーボンニュートラル」を目指す中国では、当局が生産管理を厳格化。増産の取り締まりによる市況引き締まりが意識されている。
 半面、自動車セクターはさえない。長城汽車(2333/HK)が12.3%安、吉利汽車HD(175/HK)が3.1%安、東風汽車集団(489/HK)が2.1%安、広州汽車集団(2238/HK)が2.0%安と値を下げている。ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車が公表した四半期決算では、前年同期の赤字から黒字に転換したものの、計上した利益は予想に届かなかった。
 一方、本土マーケットは小幅ながら3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.05%安の3471.23ポイントで取引を終了した。銀行株が下げを主導。自動車株、食品飲料株、空運株、保険株なども売られた。半面、素材株は高い。ハイテク株、不動産株、医薬品株も買われた。


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