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2021/03/23 13:28

香港前場:ハンセン1.2%安で3日続落、上海総合も1.2%下落 無料記事

 23日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比339.63ポイント(1.18%)安の28545.71ポイントと3日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が176.98ポイント(1.57%)安の11129.73ポイントと反落した。半日の売買代金は931億5700万香港ドルにやや拡大している(22日の前場は785億4300万香港ドル)。
 投資家心理が悪化する流れ。各国の対中制裁が懸念材料としてくすぶっている。欧州連合(EU)は22日、新疆ウイグル自治区の少数民族に対する「深刻な人権侵害」に関与したとして、中国当局者や団体に制裁を科した。それに同調し、米国や英国、カナダも制裁措置を発表している。一方、中国外交部は22日、EU側に対する報復措置を公表した。また、香港で主要企業の決算報告が本格化する中、業績動向を見極めたいとするスタンスも強まっている。昨夜の米ハイテク株高を好感し小じっかりでスタートしたものの、上値は重く、指数は程なくマイナスに転じた。前引けにかけて下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が4.2%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.9%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)とスマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)がそろって3.4%安と下げが目立った。吉利汽車に関しては、上海「科創板」重複上場計画の難航がネガティブ材料。昨年発表した上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」への重複上場計画について、白紙となる可能性が浮上している。「ハイテク企業」という科創板の上場要件に、吉利が該当するかどうか証券当局が疑問視していると外電が23日報じた。また同社は前引け後、通期の32%減益を報告している。
 セクター別では、海運・空運が安い。中遠海運HD(1919/HK)が5.7%、東方海外(316/HK)が4.0%、太平洋航運集団(2343/HK)が3.1%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が4.8%、中国東方航空(670/HK)が3.5%、中国国際航空(753/HK)が2.9%ずつ下落した。
 レアアース・非鉄セクターも急落。新疆新キン鉱業(3833/HK)が8.7%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が8.6%安、金川集団国際資源(2362/HK)が7.2%安、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が6.5%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が5.5%安、江西銅業(358/HK)が5.2%安で引けた。洛陽モリブデンについては、通期決算が25%増益と堅調だったものの、期末配当が前年の0.043人民元から0.033人民元に縮小したことを嫌気している。
 食品飲料や家電、スポーツ用品の消費関連セクターもさえない。康師傅HD(ティンイー:322/HK)が5.9%安、中国旺旺HD(151/HK)が4.7%安、TCL電子HD(1070/HK)が4.5%安、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム:6690/HK)が4.3%安、李寧(リーニン:2331/HK)が2.8%安、安踏体育用品(2020/HK)が1.9%安と値を下げた。即席麺・飲料大手の康師傅が報告した期末決算は2割増益。市場予想をやや上回ったが、好感する買いは限定された。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.19%安の3402.56ポイントで取引を終了した。素材株が安い。消費関連株、インフラ関連株、運輸株、医薬品株、不動産株、ハイテク株、金融株など幅広く売られた。



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