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2020/12/31 13:41

香港大引:ハンセン0.3%高で3日続伸、内外環境が安定 無料記事

 年内最終商いとなった31日の香港マーケットは値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比84.02ポイント(0.31%)高の27231.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が75.47ポイント(0.71%)高の10738.4ポイントとそろって3日続伸した(年間騰落率は、ハンセン指数がマイナス3.40%、本土株指数がマイナス3.85%)。ハンセン指数は約10カ月ぶりの高値水準を回復(今年3月安値からの上昇率は25.63%)。半日立会の売買代金は1057億香港ドルとなっている(30日は1533億2100万香港ドル)。
 内外環境が安定。昨夜の米株市場では、追加経済対策の効果が期待される中で主要指数のNYダウが0.2%上昇し、終値ベースの史上最高値を更新した。また、中国国内では資金流入の期待が高まる状況。人力資源・社会保障局は30日、年金基金の株式投資枠に関し、将来的に最大40%まで拡大する方針を表明した。本土市場の銘柄に加え、相互取引スキームの利用で香港上場の株式も投資可能にする。流入資金は最大で3000億人民元(約4兆7500億円)に達するという。
 ただ、この日の相場は指標の下振れなどもあって上値を追う動きが限定的。朝方公表された12月の中国製造業PMIは、前月実績(52.1)から0.2ポイント低下の51.9となり、市場予想(52.0)も下回った。また、世界の新型コロナウイルス感染拡大も警戒される。米国ではNY州など一日当たり感染者数の最多更新が相次ぎ、英国ではコロナ変異種の流行でロックダウン(都市封鎖)エリアが拡大した。中国でも感染者数が再び増加しつつあり、北京市政府は27日、「緊急事態」入りを宣言した。感染「第4波」を迎える香港では、クラスターが複数個所で確認されている。香港はこの日、短縮取引で半日立会となるため(あす1月1日〜3日は香港と本土が休場)、積極的な売買も手控えられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が8.4%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が3.5%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が3.3%高と上げが目立った。薬明生物技術は上場来高値を連日で更新している。
 セクター別では、自動車が高い。上記した吉利汽車のほか、華晨中国汽車HD(1114/HK)が7.3%、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.2%、東風汽車集団(489/HK)が4.1%、広州汽車集団(2238/HK)が3.9%、長城汽車(2333/HK)が3.5%ずつ上昇した。長城汽車は連日で最高値を切り上げている。また、充電池・自動車メーカーのBYDは、年間上昇率423%を記録した。
 中国証券セクターも急伸。中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が3.8%高、中信証券(6030/HK)が3.6%高、広発証券(1776/HK)が3.2%高、海通証券(6837/HK)が3.0%高で取引を終えた。
 半面、香港に拠点を置く銘柄群の一角はさえない。中銀香港(2388/HK)と領展房地産投資信託基金(823/HK)がそろって1.7%安、中電HD(2/HK)と香港鉄路(MTR:66/HK)がそろって1.0%安で引けた。このほか、英国や欧州でも事業展開する香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス:1/HK)が1.6%下げている。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.83%高の3442.79ポイントで前場の取引を終了した。金融株が相場をけん引。自動車株や食品飲料株、ハイテク株、医薬品株、海運株、インフラ関連株、不動産株なども買われた。半面、石炭株は安い。発電株も売られた。



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